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食事マナーって本当はこんなに簡単なんです!【小倉朋子先生1】

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サラダを人前でキレイに食べる自信はありますか? というのも、私ツボユリは外食においてサラダを1度も「キレイに食べられた!」と思ったことがないのです。レタスなんて絶対に口からはみ出るし、上手く噛み切れないし、キレイにフォークに収まってくれないし…。メイン料理がくる前に、どっと疲れてしまっていることもしばしば。いつかキレイに食べられないものだろうか…サラダを食べるのが地味に怖い。

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「マナーはね、ジャッジするものではないんですよ。」

そう言ってくださったのは今回お話をお伺いした「世界一美しい食べ方のマナー」の著者、小倉朋子さん。小倉さんは小学生のころから外食をしたら家で再現調理をしたり、自分流の新しい味に変えてみたり、夜通し料理をつくり、テーブルコーディネートまで考えるなど、完全な「食オタク」として育ち、現在はその食への探究心から株式会社トータルフードの代表取締役としてメディアにも多数出演されています。

 

――今までは食事マナーと聞くと、覚えることがたくさんで大変! というイメージが強かったのですが…

小倉:いえいえ、きっと大坪さんが考えているより難しいものではないですよ。

――そうなんですか? 実は、小倉さんにお会いするということで…ちょっとマナーについて調べてきたんです。笑

小倉:みなさん、よくそうおっしゃいます(笑)。そんなことしないでいいんですけども…。マナーはね、究極のところ「周りへの配慮」なんですよ。

――キレイに食べること、だと思っていたんですが、注目すべきは「周り」なんですか?

小倉:この場合の「周り」というのは食事を食べているときの同席者、作ってくれた料理人、その料理のために選ばれた食器、食材の命、歴史、文化などのこと。そんな「周り」に感謝して、食を心から愛おしみ、真剣に向き合って食べることなんです。

――でも、細かくルールとかあるのでは?

小倉:確かに、食事マナーにおいて気をつけるべき点はあります。でもそれもね、元をたどってしまえば食を愛おしみ、真剣に向き合っているからこその所作なんですよ。

――なるほど。

小倉:そして食事の場を共にしている人たちとコミュニケーションをとりながら食べるのが大事なんです。食事って、人と食べることが多いでしょう?

――そうですね。私も初対面の人と仲良くなりたくて一緒に御飯を食べたりします。食事を共にすると仲良くなるまでが早い気がしますし…。でもどう食べればいいのかわからないものがくると緊張して話どころではなくなってしまいますが…(汗)

小倉:そうそう(笑)。でもね、相手が自分との時間を楽しんでくれるように配慮するほうが、キレイに食べることよりずっと大事なマナーなんですよ。

――キレイに食べなくても食事マナーがいいって言えるんですか?

小倉:マナーはね、さっきもちょっと言ったけれど、周りへの配慮を意識していれば自然に身につくものも多いの。例えば…相手との話を楽しむための配慮なら、あんまり一杯口に料理を含んでしまったら会話が出来ないじゃない? だから少しづつに切って、楽しい会話が途切れることなくできるように食べる。また、料理を作ってくれた人に対する配慮なら、キレイに盛りつけられた料理を出来るだけキレイな状態を保ったまま食べきる。そんな些細な周りへの配慮が、実はちゃんとマナーに繋がっているのよ。

―― ……言われてみれば、納得です。なんだか今まで難しいと思っていたけど、自分にも出来そうな気がしてきました!

小倉:そうそう! シンプルなことなのよ、マナーって。

 

 

 

 

 

小倉朋子メソッド 基本の七則

小倉朋子さんが提唱する「周囲への配慮」を7つにまとめた食事マナーの基本を頭に入れておきましょう。

 

その1…フェイス・トゥ・フェイスの法則

「相手の顔をみる」動作は同席者を大切にするあらわれ。ついつい料理に夢中になると料理の方ばかりに目線がいってしまいますが、「料理を咀嚼する動き」は相手の顔を見ながらでも出来ますよね。一口くちに入れたら顔をあげるようにしましょう。

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その2…指先フォーカスの法則

指先には心の表情がみえます。例えば、相手が緊張してこわばった表情の指先をしていたら、こちらまで緊張してきてしまいますよね? 裏を返せばリラックスした表情の指先は相手もリラックスさせられるということ。是非、ギュギュっと握らずふんわりと、心の余裕を持ってみてください。

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その3…一口サイズの法則

先ほど話に上がった一口に切って、会話が滞らないようにする食べ方です。では、一番美しい一口サイズってどのくらいの大きさなんでしょう? 答えは和食にあります。和食は、だいたい横幅が一寸(3㎝)前後になるようにできているものが多いんです。これを目安にお箸やフォークでとる量を調節したり、大きいものは切る、たたむなどして食べれば会話を楽しみつつ食事をすることが出来ますよ。

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その4…自分ベクトルの法則

刃物の先端を自分に向けると、なんだか嫌な感じがしませんか? 人間は本能的に、鋭いものを恐れるようにできています。ですからよく「箸先を人に向けるな」「ナイフの刃は人に向けるな」と言いますが、相手に恐怖心や不快感を与えないための配慮なんですね。ナイフを置くときも自分の方に刃が向くように、箸の場合は箸先を相手に向けないように。これ、結構できてない人も多いんです。自分は大丈夫かな?ってちょっと確認してみてくださいね。

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その5…ノイズキャンセルの法則

音は、耳栓でもしないかぎり食事中どうしても防げません。ナイフやフォーク、スープを啜る音…日頃から気をつけていないと「いざ」というときにカチャカチャと音が立ってしまい、料理のおいしさを邪魔してしまいます。また、ノイズは何も音だけではありません。料理の香りを打ち消すほどの香水や、場にそぐわない露出過多な服などもノイズのひとつ。肉料理ならお肉を切るときに、引くときに力をいれて切るようにしたり、スープを飲むときは「啜る」ではなく、スープの方から口に入ってくるような「流し込む」動作が正解。ちなみに悪口も立派なノイズですから注意してくださいね。

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その6…絶景キープの法則

料理は、目でも楽しめる景色のようなもの。そんな盛り付けをキレイなまま食べ切るには、天ぷらや炊合せなどのように食材を重ねた「山盛り」の料理なら手前の上から。お造りなどの平たく置いた「平盛り」なら手前や端から食べ進めると、最後まで美しく食べることができます。自分が食べている料理も、同席者からみれば景色の1つだということを忘れないように!

 

 

その7…エンディング美の法則

さて、料理が食べ終わると、そのままお皿が長時間席に置きっぱなしということも多いですよね。これは、そのぶんだけ目に触れやすいということ。食べ物を残さないのはもちろん、焼き魚なら骨を端にまとめておくなど、最後が美しいだけで「きれいに食べる人だな」という余韻を残すことができるのです。最後に、この場を作ってくれた万物への「ありがとう」の思いを最大限にこめ、「ごちそうさま。」と食事を終える。気持ちを込めたぶん、きっと聞き心地の良い響きになります。

 

 

小倉さんから教わるマナーのお話はどれも、「◯◯しなければならない!」 という強制的なものではなく「◯◯だから◯◯するんだ。」と理由があり、配慮があり、今まで難しく考えていた食事マナーが一気に自分のフィールドに入ってきたような感覚になります。

本来なら、マナーはそういうものなのかもしれません。

 

次回は「恋愛における食事マナーについて」です。好きな人とご飯を食べるときに必ず役に立つ豆知識を小倉さんに教えていただきました。乞うご期待!

 

 

 

 

お話をお伺いした方

小倉朋子さん

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株式会社トータルフード代表取締役。フードプロデューサー。亜細亜大学講師。世界各国の正式なテーブルマナー、食にまつわる歴史・文化・経済・トレンドなどを総合的に学び、生き方を考える「食輝塾」主宰。16年間一度も同じ内容の講義をしないなど、最新情報にも精通した食のスペシャリスト。テレビ、ラジオなどメディアにも多数出演している。公式サイトhttp://totalfood.jp/


2015/02/10 | キーワド: , , , | 記事: