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「手揉み」で低体温症が改善するワケ【鍼灸師 松岡佳余子先生2】

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前回の「松岡佳余子先生の記事1」に続き、今回は先生が低体温症を改善するために行う「手揉み」のヒミツについてお話します。

 

体温が36.2度以下の人は「半病人」です【鍼灸師 松岡佳余子先生1

 

手を揉めば全身の症状が改善できる!?

突然ですが、「手を揉んだだけで、低体温症はもちろん、全身のありとあらゆる症状が治りますよ」と言われたら信じられますか?私はもちろん「まさかそんなことあるはずがない」と思っていましたが、人体における手の重要性を松岡先生に教わってからは手のスゴさに感動しました。

 

松岡先生は治療のために、一般的な鍼灸治療のほかに「手指鍼」を取り入れた治療を行います。「手指鍼」とは、手や指などにあるツボを鍼などで刺激して、全身の病気や不調を改善する治療法です。

今では、松岡先生が施術するほとんどが「手指鍼」になるほど、手はどのような病気や症状にも対応できるうえ、一般的な鍼灸治療よりも即効性が高く、治療法として大変優れているそうです。

つまり、手や指のツボを揉みながら刺激することで、低体温症が改善することはもちろん、どんな不調だって治すことができるのです。

 

手揉みで低体温症や身体の不調が改善するワケ

一体どうして手揉みで低体温症や身体の不調が治るのか不思議ですよね。その理由は大きく3つあります。

①手は全身のツボが集中する「全身の縮図」だから。

②手は身体のなかでいちばん、脳と密接につながっている部位だから。

③手は身体のなかでいちばん多くの血管や神経が集中している「全身でもっとも敏感な部位」だから。

順番に説明していきたいと思います。

 

①手は全身のツボが集中する「全身の縮図」

医術には、身体のある特定の一部分を詳細に観察することによって、全身の状態を診断する方法があります。松岡先生はこれを「部分診」と呼ぶそうです。

身体のある特定の部位を観察することで、全身の健康状態や病気の有無を診断し、さらには治療できる部分と言えば、「足裏のツボ押し」がよくわかりやすい例かと思います。マッサージでツボ押しに行くと、足裏を押しながら「お客さん、胃が弱いですねえ~」とか言われますよね(笑)。

実は、それと同じように「手」にも全身のツボが縮図のようになっているのです。手のひら・手の甲には、小さなツボが345個も存在していて、それぞれ身体に呼応しています。足ツボマッサージと同じように、押したときの痛みやコリコリしたしこりなどの違和感があることで不調がわかり、そこを押したり揉んだりして刺激することで身体の冷えや不調を治すことができるのです。

 

②手は身体のなかでいちばん、脳と密接につながっている部位

手のツボを刺激して、直接触れてもいない臓器や冷えが改善するのは、すべて脳のおかげです。脳は、全身の機能をコントロールする司令塔。マッサージによってツボに与えられた刺激も、まずは神経を通って脳へと伝えられます。ツボからの信号を受け取った脳は、不調を起こしている臓器に向けて修復の指令を出すのです。

次に詳しく説明しますが、手にはたくさんの神経があり、それらは脳の広範囲にまで広がっています。大脳の一部では、手の運動を司る領域が全体の3分の1もの面積を占めているほどです。

 

③手は身体のなかでいちばん多くの血管や神経が集中している「全身でもっとも敏感な部位」

手は、手首を含めると29個の骨、25以上の関節、30以上の筋肉があり、物をつかむ・持つ・触れるなど、とても多彩で複雑な動作ができます。さらに、質感や温度を感じ取るという感覚も備えています。これらの感覚を正確にキャッチするために、手には約1万7000本もの神経があり、大脳の体性感覚野(身体からの触覚情報を受け取る部分)や運動野(身体を動かすための指令を出す部分)など、脳の広い範囲と密接につながっています。

このことから、「手は第2の脳」や「手は外につきでた脳」とも言われているそうですよ。

 

簡単な例を出すと、洋服を買うときに触れないで買う人ってあまりいませんよね?必ず、「どんな素材なのかな」と、質感を手で触わって確かめるはずです。先ほども言ったように、触覚の大部分は手の指先にあるのです。つまり、「服がウール素材なのか、カシミヤ100%なのか」触れればすぐに理解できるのは、指先の情報が瞬時に脳に伝わっているということ。

 

また、先ほどの脳の(体性)感覚野というのは、以下の図を見れば一目瞭然です。

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ご覧の通り、手だけは一本一本の情報を脳がキャッチします。だから、目をつむった状態で誰かに突然指を触られても「あ、今人差し指を触られたな」とわかります。しかし、足の感覚野は足全体でひとつの感覚なので、突然足の指を触られても「今何番目の指に触れたんだろう」と感じるそうです。

つまり、どんな小さな刺激でも手に与えられた刺激は脳がキャッチしてくれます。先生が言うには「手から送った刺激というのは確実に脳に届くということ。それを利用しない手はない!!!」とのこと(笑)。

 

感覚野でこれだけの刺激をキャッチしてくれるのだから、お次はその刺激をもとに身体を動かすに指令を出す運動野です。手に刺激を与える⇒刺激が脳の感覚野に伝わる⇒運動野が身体を動かす⇒不調に働きかける。これら一連のプロセスによって、手揉みをすることによって、身体の冷えや不調が治るのです。

 

 

いかがでしたか?足つぼマッサージって有名ですが、手にも同じ効果があったなんて正直知りませんでした!手の重要性というのが皆さんもよくわかったんじゃないでしょうか。

次回は、さらに詳しい手のヒミツについてお話します。お楽しみに!

 

*今回お話を伺った方

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松岡佳余子先生

1948年生まれ。和歌山県出身。鍼灸師・アジアンハンドセラピー協会理事。

鍼灸師になって45年目を迎え、現在では後進の指導のため、日本のみならず、中国、韓国でも研修を行う。さらに20年ほど前からは、鍼灸をさらに発展させた手指鍼を研究。高い効果をあげる。

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2015/03/01 | キーワド: , , | 記事: