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ついに発覚!腸内環境が不調や病気の原因だった【内科専門医 大竹真一郎先生2】

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前回の「大竹先生の記事1」では、本当の健康についてお話しました。今回は、腸がどれだけ健康と関係しているのかに迫ります。

内科学会誌の1月号でも腸の話がピックアップされており、今まさに学会内でもトレンドになるほど大注目の腸内環境のお話をどうぞ!

 

本当の「健康」って何か知っている?【内科専門医 大竹真一郎先生1】

 

腸内環境が不調や病気と関係している!?

腸内のことって、意外とまだ研究が進められていないということをご存知ですか?その点についてはのちほど詳しく説明しますが、まずは腸内環境が関係する病気について説明します。

 

アレルギー性の病気(花粉症・アトピー性皮膚炎)

日本人のおよそ3割が免疫アレルギーに関する病気を持っているそうです。そんなアレルギー性の病気も、腸内環境に関係している可能性があるということがだんだんわかってきました。

もともと腸は免疫に関連した臓器なので、腸内環境が悪化すると免疫機能がうまく働かなくなるせいではと言われています。腸内環境を正せば、花粉症やアトピーが治るようになる日も近いかもしれませんね!

 

非アルコール性脂肪肝炎(NASH・ナッシュ)

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、お酒をたくさん飲むと肝臓が徐々に悪化して慢性肝炎になり、さらに悪化すると肝硬変から肝臓がんを引き起こします。しかし、このナッシュはお酒を全く飲まない、または少量(日本酒換算で1日1合以下)しか飲まないのに、脂肪肝が徐々に悪化して肝臓がんになってしまうものなのです。

原因ははっきりわかっていませんが、腸から吸収された物質は血液と一緒に肝臓に流れ込み、そのときに腸内細菌が作るほんの少しの毒素が肝臓に入ってしまい、ナッシュの原因のひとつになっているそうです。

 

心臓病

年齢を重ねると動脈硬化が進んでいき、心臓病を引き起こすと考えるのが一般的でした。しかし、最近の研究では腸内細菌が作るある物質が心臓病を悪化させる直接の原因であることがわかってきました。

医学界でも「まさが心臓病に腸内環境が関係していたなんて!!」と驚きの声が。ただ、まだ改善法がわかっているわけではないので、これからの研究に期待ですね。

 

大腸がん・乳がん

がんと腸内環境のはっきりとした関連性はまだまだわからないことだらけですが、少しずつ進んでいます。

大腸がんは、ある種の腸内細菌によって腸に慢性的な炎症を起こし、さらに別の細菌によって腸を守るべきバリア機能が上手く働かなくなり、大腸がんを引き起こしやすくなると言われています。

乳がんは、アメリカで乳がん検診のときに行った調査研究によると、排便の回数が週に2回以下の女性の4人のうち1人に、将来乳がんにつながるような状態の細胞(前がん細胞)があったそうです。それに対し、毎日排便のある人たちの割合は20人に1人なので、便秘の人はおよそ5倍乳がんになりやすい可能性があるかもしれないと言われています。

 

もちろん、すべての病気が腸内環境で決まるわけではありませんが、医学界でも関係ない思われていた意外な病気までも腸内環境と関係している可能性があるということがわかってきたのです。

 

やっと腸内菌の研究がここまで進みました!

これらの不調や病気に腸内環境が関係しているなんて、意外かもしれませんが、昔では全く考えられませんでした。繰り返しになりますが、医学界でも「まさか腸内の菌でガンが発病するなんて……」「まさか腸内の菌で太りやすくなるなんて……」と驚嘆の声が上がるばかり。

今になって発覚したワケは?と感じるかもしれませんが、ちゃんと理由があります。実は、腸のなかの善玉菌と悪玉菌は、腸の空気のないところしか生きられないものが多いのです。たとえば、皆さんがよく耳にする『大腸菌』。大腸菌は、空気に触れても死なない菌です。だから、人間の便に含まれているものを調べればその生態がわかるし、簡単に研究が進めることができたのです。そして、実際に私たち一般人にも広く認知されています。

しかし、その他多くの腸内菌は空気に触れると死んでしまうので、便になって出てきても研究を進めることが難しいのです。それが、近年の研究技術の向上によって少しずつ調べられることが増え、やっと今の段階まで辿り着いたのです。

そういった理由から、腸内菌というのはたくさんいるけど、それらひとつひとつがどんな菌なのかはいまだ全然わかっていないのです。

 

医学界が動き出した!腸内菌の研究がスタート

私たち人間の身体は全部で60兆の細胞があると言われていますが、腸内には、悪玉菌・善玉菌・日和見菌にはじまり、およそ100兆~1000兆もの菌が存在すると言われています。人間の細胞よりも格段に多い数、そして、100兆~1000兆なんてケタが違うほどアバウトな見解。つまり、それほど腸内菌に関しては未知数なのです。

そんな腸内菌、最新の研究法では死骸であってもそこからDNAを抜き出して調べることができるようになりました。どんな菌があるのかわからないことには、そこから研究がスタートすることなんてありえませんよね。

 

新しい菌が発覚⇒その菌が、病気と病気じゃない人での菌の数の差がわかる⇒ということはこの病気にはこの菌が関係していたのか!という流れを経て、病気との関連性がわかるのです。

そして、医学界で腸内菌が注目されればされるほど、「それなら僕は心臓の専門だから、ちょっと関連調べてみるわ~」「私はガンとの関係を調べてみようかな」という流れで研究が動き出しているのです。

今後はもっと、様々な不調や病気との関係が明らかになってくるはずです!ぜひ期待して待ちましょう!

 

悪玉菌は悪者じゃないんです!

ちなみに、健康に生活するための腸内菌の理想バランスは、“善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割”というのがベストだと言われています。「え?悪玉菌も1割だけど、必要なの?」と思った人、大きな勘違いをしていますよ。

悪玉菌は“悪”とついているからか悪者に思われがちですが、「じゃあ腸の中でゼロにしていいのか?」といったらそれは間違いなのです。身体にとって、ちゃんと必要なことをしてくれているのでゼロではむしろ困ります。しかし、1割を超えて、悪玉菌が腸内に増えすぎると弊害が生まれてしまうので“悪玉菌”と呼ばれているんです。

生まれたときの腸内バランスは“善玉菌:悪玉菌:日和見菌=100:0:0”ですが、そこから呼吸をしたり、ご飯を食べることによって様々なものが腸に入ってきます。それと戦ってくれるのが悪玉菌なのです。いわば、腸内の兵隊さん!だから、ある程度は腸内にいてくれないと、余計に調子が悪くなったりすることもあるんだとか。

 

 

いかがでしたか?腸内菌の最新ニュースなんて、今まで知る機会がなかったんじゃないでしょうか。これからの医療技術にますます期待しちゃいますね!

次回は、「腸内環境が悪いと太りやすいという事実」についてお話します。お楽しみに!

 

*今回お話を伺った方

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大竹真一郎先生

日本内科学会総合内科専門医。日本消化器病学会専門医。

1968年兵庫県生まれ。神戸大学医学部医学科を卒業。

TBS『駆け込みドクター!運命を変える健康診断』にレギュラー出演の他、『あのニュースで得する人損する人』(日本テレビ)、『お試しかっ!』(テレビ朝日)、『ペケポン』(フジテレビ)などに出演。

腸内環境からきれいになるスッキリ美人ダイエット 1,300円(税抜) ぱる出版

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2015/03/10 | キーワド: , , | 記事: