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花粉症と戦うには、まずは敵を知るべき!知られざる花粉のアレコレ

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前回の「永倉先生の記事」に引き続き、いまシーズン真っ只中の花粉のお話です。今回は、意外と知られていなかった花粉のヒストリーや厳しい現状についてお届けします。イヤ~な花粉症から目を背けずに、しっかりと向き合って戦うためにはこういった勉学知識も必要かもしれませんよ!

 

*永倉先生の過去記事はこちらから

花粉シーズン到来!連発くしゃみ・サラサラ鼻水を止めるマル秘テク

 

花粉症の知られざるヒストリー

意外にも「花粉症」が発見されたのは、比較的最近といえる50年ほど前。それまでは花粉症という病気自体も一般に知られていなかったし、そもそも花粉症なんてほとんどなかったんです。

発見されて50年……現在は花粉症症状に悩まされる人が急増し、社会問題にまでに発展。当時から想像すると、こんな事態は思いもよらないことだったそうです。

 

花粉症の知られざる現状

東京都は、過去20年間にスギ花粉症の実態調査を10年ごとに行っていますが、発症率は年々増え続けるばかり。しかも、発症のピークは今までは30代くらいでしたが、最近は若年層や2~3才の幼児にまで急増しています。さらに、高齢になっても多くの人が発症しているので、自然治癒が起こりにくい病気だとも言われているんです。

そして、ここ10年のスギ花粉飛散量は20年前に比べると約2倍に増加!!!一体どうしてこんなに爆発的に増加したのでしょうか。

 

日本で花粉症が爆発的に増加した理由

スギ花粉症がこれだけ猛威をふるっているのは、世界的にみても日本だけなんだそう。その理由の一つは、“植林されたスギが花粉をつける樹齢になったから”なのです。

戦後焼け跡となった山々に植林された大量のスギ林が原因だと言われています。スギは、十数年たつと雄花ができはじめ。樹齢25~30年頃から旺盛に花粉をつけるようになり、その後は何十年も花粉をつけ続けます。

つまり、スギをたくさん植えた時期から今まさに十数年経ち、ちょうど花粉をつけるようになったということ。だからこんなにも花粉が爆発的に急増しているのです。

ちなみに、スギの木は北海道と沖縄を除く日本全国に植林され、夏が暑いと花芽が良く発達し、翌年多くの花粉を生産するそうです。なるほど!地球温暖化が進むことも花粉を増やす原因となっていたんですね……。

 

ここまでくると、「そんなスギの木なんて伐採しちゃえばいいじゃん!」と思う人がいるはずです。しかし、治水(土砂災害などから人を守る事業を指す)の問題や、現在は輸入木材が安価なため、木材消費が難しいという点から実施されないそうです。

なかなか難しい問題だったんですね~。このシーズンになると花粉を悪者扱いしてしまいますが、スギの森林自体はCO2を吸収し地球温暖化へ歯止めをかけているひとつであり、異常気象で起こる集中豪雨の際には土砂崩れを防いだりしてくれているのです。その辺もしっかり理解すると見方が変わることもあるかもしれませんよ❤

 

花粉症って遺伝するの?

花粉症の知られざる豆知識について紹介してきましたが、ここで多くの人が気になっているであろう「花粉症は遺伝するのか?」という疑問についてお答えします。

花粉症などのアレルギーは、親から受け継いだ遺伝的な要因が大きいのは確かです。しかし、両親が花粉症だからといって、生まれてくる子どもも確実に花粉症になるかといったらそうではないのです。

遺伝ともに心配すべきなのは、生活環境。生活環境によって、花粉症が発症するかどうかが大きく関わっているんです。アレルギー性疾患の発症は、よくコップにたとえられて説明されます。

アレルギーの原因が体内に侵入し、衛生環境、大気汚染、食事、生活環境のストレスなどの危険因子がコップに少しずつ注がれていきます。そして、その許容量を超えたときに急にアレルギー症状として身体に現れるのです。

つまり、一番ベースとなる部分に生まれつきの遺伝子による、いわゆる体質があり、さらに、そこに後天的因子(生活環境など)が加わることによって発症するのです。だから、両親が花粉症だからといって確実になるとは限らないんですね!なるほど!

 

ますます猛威をふるう花粉症

花粉を避けるために生活環境を変えると言っても、この時期日本にはどこに行っても花粉がイヤというほど舞っていて避けようがないですよね。マスクやゴーグルだって限界があります。

そんなとき、自分の周りの友達や知人が花粉症になったけど、自分は平気!という人、ついつい「自分は花粉症にはならないのかも❤」と気楽に考えてしまいますよね(笑)。しかし、現在花粉症じゃない人にも危険因子は一滴、一滴と注がれており、あるとき突然許容量を超えて花粉症を発症すると言われています。

より花粉を吸い込む環境下にいればいるほどなりやすいので、最近あなたの身近な人が花粉症になったなら、もしかすると次はあなたの番かもしれないのです……。

 

「コップに水が溜まるように」というならば、子どものうちは大丈夫と思っている人、実はそれも間違いなんです……。最近先生のもとには、まだ1才、2才という幼児までもが花粉症の診察にやってくるそうです。さらに、海外からやってきて日本に住み始めた人も、2~3年して花粉症になったというパターンが多いようです。

 

 

いかがでしたか?花粉症の低年齢化や、花粉数の増大による発症率がとても深刻な問題になっているようですね……。さて、お次はいよいよ花粉症の救世主が登場!?お楽しみに❤

 

*今回お話を伺った方

永倉仁史先生

永倉仁史先生

昭和57年、東京慈恵会医科大学卒。昭和60年、東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科アレルギー外来担当となり、鼻アレルギーの治療および減感作療法を専門とする。国立生育医療センター(当時、国立小児病院)免疫アレルギー研究部にてアレルギー治療について研究。環境省国立環境研究所研究員として、アレルギー性疾患増加の原因の究明に関する研究に従事し、学位取得。平成2年より、東京厚生年金病院耳鼻咽喉科勤務、その後、東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科助手

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2015/04/15 | キーワド: , , | 記事: