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救世主登場!花粉症を根源から治す「舌下免疫療法」

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前回までの「永倉先生の記事」では花粉症のメカニズムや知られざる豆知識について紹介してきました。今回は、「もう花粉症で悩みたくない!」と思っている人必見の花粉症治療のお話です。

 

*永倉先生の過去記事はこちらから

花粉シーズン到来!連発くしゃみ・サラサラ鼻水を止めるマル秘テク

花粉症と戦うには、まずは敵を知るべき!知られざる花粉のアレコレ

 

これまでの花粉症治療

これまでの花粉症治療と言えば、薬で症状を抑えるだけの「対症療法」か、アレルギー反応自体を起こさないように皮下注射する「免疫療法」だけでした。皮下免疫療法とは、アレルギーの原因となるアレルゲンを安全なレベルで少しずつ皮下に注射し、徐々に量を増やし慣らすことでアレルギーを起こさないように免疫システムを変える治療法です。

花粉症を根治させるという意味では免疫療法がとても有効なのですが、初めは週に1~2回の注射⇒月に1度の注射⇒このペースを2~3年継続する、という通院のデメリットがありました。さらに、なんと言っても注射の痛みが苦痛だと感じる人がたくさんいました。

 

新しい花粉症治療!「舌下免疫療法」

そこで!今回永倉先生に教えて頂いたのが、痛みを伴わない新しい免疫療法「舌下免疫療法」です。舌下免疫療法とは、スギ花粉症に効く最新の治療方法です。皮下免疫療法と同様に、アレルギーの原因となるアレルゲンを少しずつ身体に投与することで、身体をアレルゲンに慣らしてアレルギー症状を和らげることができます。

 

効果を発現するメカニズムとは

実は、効果を発現するメカニズムは十分には解明されていません。しかし、舌の下から入ったスギ花粉(アレルゲン)が体内で反応し、アレルギー反応を抑制する免疫反応が起こることで症状が抑えられていると考えられているそうです。

実はこの治療法、昔から経験的に行われていた民間療法だったのです。たとえば、養蜂(ミツバチを買ってはちみつを採る職業)を始めた人が、最初はハチに刺されるたびに腫れていても、繰り返し刺されるうちに何ともなくなります。また、漆職人の親方は弟子が入ると舌の下に漆を少しだけ置き、少しずつその量を増やして漆アレルギーが起こらないように慣らしていくそうです。

このように、「舌下免疫療法」は昔から行われていました。それが、今では医学分野で正式に治療として認められるようになったそうです。

 

花粉を根治することができる

具体的に舌下免疫療法とはどんな治療なのかをご説明します。実は、今はまだスギ花粉によるアレルギー症状(スギ花粉症症状)にしか舌下免疫療法は対応していません。なので、服用開始前にまずは自分が「スギ花粉症」であるかどうかの確定診断が必要になります。

スギ花粉症の診断

病院で花粉症だと診断されたときに、必ず自分が何の花粉でアレルギー症状が出るのかを調べましょう。皮膚テスト(皮膚の反応)・血清抗体検査(血液検査)・鼻鏡検査(鼻の粘膜を確認)・鼻汁検査(鼻水を採取して検査)などの検査で調べることができます。

 

服用期間

舌下免疫療法の薬は、小さなボトル等に入っている液体状のもの。1日1回、少量から服用をはじめ、2週間は徐々にその量を増やし、その後は決まった量を数年にわたり継続して服用します。

 

服用方法

大きく口を開け、舌の下に一度にその日の服用量をたらします。そのまま薬液を入れた状態を2分間保持し、そのあと飲み込みます。その後、5分間はうがいや飲食をしないように注意するだけです。

 

「舌下免疫療法」の3つのメリット

痛みがない

継続期間が長いのは皮下免疫療法と同じですが、舌下に液体をたらすだけなので痛みがないといううれしいメリットがあります。

自宅でできる

液状の薬だから誰でも自宅で簡単にでき、これまでのような通院の必要性がなくなります。

副作用が軽い

舌下免疫療法の最大のメリット“症状の強い副作用がみられない”点です。これまでの皮下注射による治療の副作用と比べると、症状が軽いものですむそうです。

たとえば、口の中・耳・のどなどがむず痒い、違和感を覚える、鼻水が出る、せき、胃部の不快感などの副作用がみられます。しかし、これらの症状の程度は軽く、短期間で失くなるケースが多いようです。

 

 

いかがでしたか?長期戦にはなりますが、あなたが苦痛を感じている花粉症を根源から治すことができます。これまでよりもグンと身近な治療法なので、気になる人はぜひ次回記事「舌下免疫療法」Q&Aもご覧くださいね!

*今回お話を伺った方

永倉仁史先生

永倉仁史先生

昭和57年、東京慈恵会医科大学卒。昭和60年、東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科アレルギー外来担当となり、鼻アレルギーの治療および減感作療法を専門とする。国立生育医療センター(当時、国立小児病院)免疫アレルギー研究部にてアレルギー治療について研究。環境省国立環境研究所研究員として、アレルギー性疾患増加の原因の究明に関する研究に従事し、学位取得。平成2年より、東京厚生年金病院耳鼻咽喉科勤務、その後、東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科助手

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2015/04/16 | キーワド: , , | 記事: