「呪怨 終わりの始まり」のあらすじ
呪怨シリーズの5作目です。
佐々木希さんが「呪怨」シリーズに挑みました。
若い新米小学校教師と、彼女の周辺で起きた不可解な出来事が起き、それは呪いの連鎖のはじまりでした。
オムニバス形式が特徴の作品となっています。
主な出演者
佐々木希(生野結衣)、最所美咲(俊雄の母、佐伯伽耶子)、小林楓(佐伯俊雄)、青柳翔(宮越直人)、黒島結菜(弥生)、金澤美穂(莉奈)、高橋春織(葵)、トリンドル玲奈(七海)、袴田吉彦(竹田京介)、石川真紀(乾教頭)、佐伯剛雄(緋田康人)ほか
不登校児童、佐伯俊雄の登場
児童虐待調査の為に、相談員の女性と警察官が佐伯家に侵入するところから物語は始まります。
部屋へどんどん進んで、女性は俊雄という子どもの名前を呼びます。
二階へ上がってみると、押し入れの中から死後何ヶ月かは経っているであろう、という男児の遺体が発見されました。
取材陣が同行して、すぐにカメラを向けてみると、蒼白い顔の痩せこけた男児がカメラを睨んでいます。
生野結衣は、担任を持つ教師として採用が決まっていました。
子ども達と接する教師になれたことを、映画の脚本家をしている恋人の宮越直人に、電話で嬉しそうに報告しました。
そして結衣は、校庭で子どもが描いたような、巨大な渦巻きの落書きを見つけます。
きっと可愛い子どもの遊んだ跡なんだろうと思い、特に気に留めませんでした。
クラスに不登校の児童の佐伯俊雄がいることを知って、すごく気にかけます。
そして教頭に詳しい事情を聞きますが、何かを隠している教頭は取り合ってはくれませんでした。
前の担任も、何かの事情があって辞めたというのです。
不可解な連続殺人
話はガラリと変わり、高校生の女の子達が登場します。
彼女達は何かに呪われていると、噂のある物件を好奇心で訪問しました。
仲良しグループの一人の葵は、姉が不動産の仕事をしている関係で、その家の鍵を偶然持っていました。
グループの中で怖い物が特に苦手な七海と、気の強い優しい友達の弥生、そして好奇心旺盛な気の合う莉奈と一緒に入っていきます。
七海は中に入るように言い、莉奈と葵を無理矢理その家の中へ誘い込みました。
七海はそこで子どもの鼻歌を聴いて、引き込まれるように二階へ上がっていきます。
そこで莉奈と弥生、葵は子どもが描いたと分かるような、とても残酷な落書きがしてある用紙を見つけて不審に思います。
七海は二階へ上がって行き、急に襲われてしまいます。
ところが、すぐに駆けつけてきた友達と一緒に逃げるようにして、この家を去りました。
ある日、結衣は佐伯家を家庭訪問して俊雄の母の伽耶子に会います。
不気味で、生気すら感じられないような伽耶子は俊雄は夫が連れて行ったけど、すぐに戻ると言います。
結衣も七海と同様に、子どもの鼻歌を聴いて二階へと上がりました。
そして伽耶子にお茶を淹れたから、とリビングへ呼ばれました。
伽耶子は、子どもが歌っていた不気味な鼻歌を口ずさみながら、一心不乱にノートに渦巻きを書いて、結衣を物凄い形相で睨みました。
結衣はすごく異変を感じて、慌てて佐伯家を飛び出します。
弥生は部活中に急に具合が悪くなって、体育館を出てから廊下を歩いていると、音楽室から誰もいないのにピアノの音がしました。
怯えながらあわてて保健室に駆け込んで、ベッドに横たえました。
ところが布団の中で、あの家で見つけた子どもの落書きを発見したのです。
布団を捲りあげてみると、中には蒼白い男児の姿がありました。
その場から逃げようとした葵を、その少年は引きずり込むように連れ去ってしまいます。
結衣は教頭に佐伯家の家庭訪問の様子を伝えて、俊雄が不在な事や伽耶子の様子がすごくおかしいと伝えます。
教頭は保護者に対して大変失礼だと結衣を注意して、前の担任が亡くなったことや、彼の家族から連絡があったことなどを話しました。
気が重いまま学校へ行くと、教室で俊雄の姿を見つけてホッと安心した結衣でした。
授業中に俊雄は机に向かって大きな落書きをしている為、彼を大きな声で注意した結衣ですが、そこには俊雄の姿は最初からなく、他の子ども達から不審な目で見られます。
七海と葵は莉奈をお見舞いする為に、彼女の家を訪問します。
莉奈は白い子どもの存在にすごく怯えて錯乱状態となり、自室に引き籠っていました。
そして部屋に光が入らないように、テープで塞いでいました。
莉奈は何かにとり憑かれて、葵と七海は逃げるようにして彼女の家を後にします。
その後、莉奈は自宅のキッチンで何者かに襲われてしまい、頬に火傷を負い、とても薄気味悪い色白い手によって、冷蔵庫の中へと引きずり込まれてしまいました。
結衣の彼氏の直人は、自宅で猫の不気味な鳴き声を耳にします。
鳴き声は電子レンジから漏れて、電子レンジが自動的に動いたかと思うと、再び猫の悲痛な鳴き声が鳴り響きます。
その頃、学校で子ども達のテストの採点をしていた結衣は、伽耶子が職員室の廊下をスルリと通り過ぎたのを目撃して追いかけます。
職員室に戻ってノートを開くと、俊雄や伽耶子が描いていた渦巻きの落書きが、ノートの全ページを埋め尽くしていたのです。
直人は帰宅すると、結衣が放心状態で窓ガラスに渦巻きを描いているのを見て、ストレスのせいだと思って彼女をベッドに寝かせます。
結衣の仕事用のバッグから、俊雄を生む前の伽耶子の心境がつづられた日記を読んで、余りの異常さに恐怖を感じます。
伽耶子は夫との間に子どもが授からずに、すごく悩んでいて、子どもが欲しい欲しいと気が狂うほど懇願してしまい、その気持ちを殴り書きしていたのです。
葵は姉に自分が友達と訪問したことを隠して、佐伯家について多くの質問をします。
姉は敢えて話しませんでしたが、不動産屋で働く姉の夫の竹田京介は、葵があの家に行ったことを察知していました。
姉は葵をその場で叱り、これ以上色々なことを妹に知られたくない為に、すぐに入浴するよう促します。
葵はふてくされて風呂へ入ろうとしますが、蒼白い手によって顎を引き裂かれて死亡してしまい、彼女の顎だけが浴室に無残に取り残され、姉はその様子を見つけて大きな悲鳴を上げました。
七海は電車の中で葵と莉奈の姿を見つけて声を掛け、傍へ寄ると変わり果てた残酷な容姿をした2人に遭遇します。
ふと気が付くと、彼女は佐伯家の階段にいて、操られるようにして体を床や壁に叩きつけられます。
そして場面は、伽耶子と剛雄が不動産屋の女性と一緒に住まいをここに決めるところへ変わります。
謎のビデオカメラ
直人は生前に結衣の異変を不審に感じて、葵の姉の夫の竹田のところに相談に行きます。
最初は「佐伯家」の物件の事を話すのを躊躇していましたが、直人に知り合いがその物件に関わるようになってから、すごく様子がおかしいと訴えられていることを伝えます。
「家族ではなくあの家がおかしい」「あなたの友達も、絶対にあの家に近づかないほうが言い」「あの家で昔、子どもが置き去りにされて死んでいる」「あの家を訪問しただけで自分の家族である妻と妻の妹が10年前に亡くなった」と言います。
直人はネットで結衣の教え子の俊雄と、両親の虐待により亡くなった子どもの山賀俊雄が、瓜二つである事を知って驚愕します。
さらに調べようとした矢先で、彼は女性の霊に首を回転させられて死亡してしまいます。
結衣は直人の残酷な姿にショックを受けてしまい、すべての怒りを抱えて原因は何なのかを詳しく探る為に佐伯家を再び訪問します。
そして何十ものガムテープが貼られた押し入れから、ビデオカメラと家族写真のアルバムを発見して、ビデオカメラの中に入っていた録画のデータをテレビに入れます。
そこで映されたのは、ごく普通の家族の姿でした。
両親の温かい愛情の元で生まれた俊雄という赤ちゃんを抱えて、夫婦が彼の祝福を大いに喜んでいました。
俊雄が成長してから母親にしか懐かず、父親が不満と疑問を抱いて彼につらく当たろうとする寸前のピクニックの映像でした。
母親が病身なせいなのか不明ですが床に伏していて、色白の少年は母親の胎内で宿っていったのです。
その時、男女の言い争う声を聞いて結衣は振り返ります。
小学生の俊雄の目の前で、両親が口論をしていました。
父親は俊雄は誰の子だと妻に怒り、何度も問いただします。
妻は俊雄は貴方の子ではなく、私の子だと高らかに言い、その妻を夫は背後から襲って殺してしまいます。
そんな悲惨な姿を見ていた俊雄は、黒猫を腕に抱いて傍観していました。
父親は俊雄から猫を抱きとると、電子レンジの中へ入れて彼を焼き殺してしまいます。
そして彼は息子に詰め寄りました。
夢かそれとも現実なのか
結衣は階段の上に隠された女性の遺体を見つけて恐怖に怯えます。
その遺体が、夫に無残にも殺された伽耶子だったのです。
俊雄も普通の子供の姿で結衣の前に現れて、彼女に襲いかかります。
目が覚めた結衣は、すでにベッドに居ました。
不安の中で直人の声がしたのでリビングへ行くと、直人が首を曲げられたおぞましい姿で結衣を迎えます。
その傍には、俊雄の姿がありました。
すべて絶望的だと知った結衣は、大きな涙を流しました。
映画ライターりょうの一言
呪怨シリーズは好きじゃないとずっと思ってたんですが、ここに来て、ようやく呪怨シリーズの楽しみ方がわかった気がします。
首グリッで驚きました。
呪怨シリーズは、日本のホラー特有のシュールな感じの瀬戸際を楽しむものですね。
すごい恐ろしい場面ばかりが登場して、眠れなくなりました。
実際に見るときは、1人で見ない方が言いと思います。
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