「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のあらすじ
気が強くて男の子のように活発なジョーは、マーチ家四姉妹の次女です。
美しく優しい長女メグに女優になってほしいと願うものの、メグは幸せな結婚を望みます。
そして三女のエリザベスを溺愛するジョーでしたが、末っ子のエイミーとは喧嘩ばかりしていました。
作家になる夢を追い続けるジョーと、四姉妹それぞれの人生観、そして恋愛を描いた作品です。
主な出演者
監督:グレタ・ガーウィグ 出演:シアーシャ・ローナン(ジョー・マーチ)、エマ・ワトソン(メグ・マーチ)、フローレンス・ピュー(エイミー・マーチ)、エリザ・スカンレン(ベス・マーチ)、ローラ・ダン(マーミー・マーチ)、ティモシー・シャラメ(ローリー)、トレイシー・レッツ(Mr.ダッシュウッド)、ボブ・オデンカーク(マーチ父)、ジェームズ・ノートン(ジョン・ブルック)、ルイ・ガレル(フレデリック・ベア)、ジョイン・ハウディシェル(ハンナ)、クリス・クーパー(Mr.ローレンス)、メリル・ストリープ(マーチ伯母)ほか
次女・ジョーが逃げるようにして帰ってくる
舞台は1868年のニューヨークです。
作家になることを夢見る四姉妹の次女、ジョー・マーチは家族と離れて住み込みで家庭教師のアルバイトをしていました。
しかし、出来上がった作品を編集長のダルヴィッド氏に持っていきますが、せっかく書いた作品を大幅に変更するよう言われてしまいます。
友人のフレデリックさえも酷評され、自分は作家には向いていないのだろうか、とすっかり自信をなくしてしまいました。
丁度その時、ずっと病気がちだった四姉妹の三女エリザベスがの病気が悪化した知らせを聞きつけ、逃げるようにして故郷へ帰ってきます。
同じころ、末っ子のエイミーは叔母さんと一緒にパリにいました。
するとそこでばったり出逢った幼馴染のローリーを、パーティーに招待します。
しかし、ローリーは遅刻してきた挙句、悪態をつきエイミーを怒らせてしまうのでした。
せっかくパーティーの日を楽しみにしてたエイミーは、ショックを受けます。
後日なんとか仲直りする二人でしたが、ローリーの家庭教師のジョンや祖父母ローレンス氏を困らせます。
時はさかのぼり丁度7年前、1861年のことでした。
ジョーは、女優を目指す美しい四姉妹の長女・メグと一緒に、あるパーティーへ出掛けます。
社交的な場に不慣れなジョーのもとへ、同じく慣れないローリーが声をかけてきたのです。
ローリーは、マーチ家の隣人で大富豪であるソフのローレンス氏の元へ、ヨーロッパからはるばるやってきたのでした。
しかしまだ慣れない生活に苦戦していました。
そんな二人は、あっという間に意気投合し、家族ぐるみで仲良くなりました。
四姉妹それぞれの夢、そして現実
そして現在、メグはローリーの家庭教師であるジョンと、お付き合いしていました。
ジョーは、女優を目指していたメグの思いを知っていたので、女優になる夢を捨てずにいてほしいと思いますが、メグは貧しいながらも温かく愛のある家庭を望みます。
一方四女のエイミーは、裕福な事業家であるフレッドからのプロポーズを今か今かと待っていました。
ローリーはそんなエイミーに「自分がいるから結婚しないでほしい」と告げるのですが、エイミーはいつもジョーの次に選ばれる自分が腹立たしく思っていました。
そして怒ってしまいます。
しかし、ローリーの素直な気持ちを聞いたエイミーは、フレッドからのポロポーズを断ります。
病弱なエリザベスは、病魔と戦いながらも大好きなピアノを楽しんでいます。
ピアノが得意なエリザベスは、ローレンス邸に度々足を運び、ローレンス氏の亡き娘が使っていたグランドピアノを弾いていました。
その姿をみたローレンス氏は、エリザベスに娘の姿を重ねて二人は絆を深めていくのでした。
実はジョーは、ローリーに告白されたことがあったのです。
しかし自立心が強いジョーは、どうしても素直に受け入れられませんでした。
父の負傷、エリザベスの死、別れ
そんな最中で、四姉妹の父が南北戦争中に負傷したという知らせを受けます。
母は父を看病するために、しばらく家を空けることになります。
マーチ家に不安がたちこめるのでした。
そして母が父の元へ出発すると、今度はエリザベスの容体が急に悪化します。
ジョーはエリザベスに寄り添い、ずっと看病を続けていました。
しかし容体は改善せず、エリザベスは静かに息を引き取りました。
その頃、パリで楽しんでいたエイミーだけが、エリザベスの最後を見届けることができなかったのです。
エリザベスの訃報を聞いたエイミーは、後日パリを発つのでした。
そしてその日、エイミーはローリーからプロポーズされ、二人は結ばれます。
そんな二人が結ばれたことを知らないジョーは、ローリーの愛情を認め、彼を受け入れる準備をしていました。
しかし、戻ってきたローリーから聞かされたことは、ローリーがエイミーと結婚するということだったのです。
エリザベスを亡くし、ローリーも失ったジョーは作家になる夢や目標も全て失いかけていました。
ジョーの結婚、念願の作品を出版する
ジョーは全ての希望を失いかけて、今までに書いた作品を燃やし始めます。
しかし、エリザベスと約束した書きかけの作品が目にとまり、すぐに原稿を握りしめて書き始めました。
そして寝る暇も惜しんでかきあげると、再びダッシュウッド氏の元へ原稿を持っていきました。
すると最後の結末は結婚でなければ売れないと言われ、書き替えるように言われます。
ある日のこと、ジョーがニューヨークを飛び出したきっかけとなったダッシュウッド氏が、ジョーの元を訪ねてきました。
初めはそっけない態度をとっていたジョーでしたが、姉妹たちからの応援もあり、帰ろうとしたダッシュウッド氏をひきとめ、二人は結ばれます。
数年後、ジョーはマーチ叔母さんが残してくれた大豪邸で学校を開き、小さな子供たちが父親のダッシュウッド氏に、この作品を出版してほしいとせがむのでした。
そこには美しく製本され、並べられたジョーの作品がたくさん並んでいました。
作家になりたい、という夢を持っていたジョーは、ようやく夢が叶い幸せを噛みしめるのでした。
映画ライターMRMの一言
マーチ家の四姉妹がそれぞれ考えている夢や希望、恋愛観を巧みに描いたストーリーです。
ローリーの告白を最初に受け入れていれば、今のジョーはなかったのかなと思うと、人生どうなるか分からないなと思いました。
最後にエリザベスが亡くなってしまったこと、それぞれの運命を描いた作品でした。
一人ひとり違う人生、これから歩む人生の中で様々な出来事があると感じさせられる物語でした。
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