「ボヘミアン・ラプソディ」のあらすじ
「ボヘミアン・ラプソディ」は2018年に公開されたイギリス・アメリカの合作映画で、イギリスが誇る伝説的ロックバンド、クイーンのボーカル「フレディ・マーキュリー」を中心とした伝記映画です。
時は1970年代、イギリスのペルシャ系移民の青年ファルーク・バルサラは新バンドを結成し、自分の出自を嫌った彼は「フレディ」という名前で音楽活動を始めます。
イギリスやアメリカはもちろん日本でも話題を呼び、日本では興行収入が100億円を突破するなど人気を呼びました。
世界各国で大ヒットした作品です。
主な出演者
監督:ブライアン・シンガー 出演:ラミ・マレック(フレディ・マーキュリー/ファルーク・バルサラ)、ルーシー・ボイントン(メアリー・オースティン)、グウィリム・リー(ブライアン・メイ)、ベン・ハーディ(ロジャー・テイラー)、ジョー・マゼッロ(ジョン・ディーコン)、エイダン・ギレン(ジョン・リード)、アレン・リーチ(ポール・プレンター)、トム・ホランダー(ジム・マイアミ・ビーチ)、マイク・マイヤーズ(レイ・フォスター)、アーロン・マカスカー(ジム・ハットン)ほか
音楽好きの青年とバンドの出会い
1985年の7月、フレディ・マーキュリーは、熱狂する大観衆の視線を浴びながらステージに向かっていました。
時を遡った1970年、イギリスのロンドンではファルーク・バルサラという青年が、ヒースロー空港で荷物を積み下ろす仕事をしていました。
音楽好きの彼は、退屈な仕事をこなす傍らで、時間を見つけてはオリジナル曲を書き続けていました。
ファルークはペルシャ系移民の出身で、伝統的なゾロアスター教を信仰する家に生まれました。
母親はいつも彼を優しく見守ってくれていましたが、厳格な父親は息子の夜遊びを快く思っていません。
父はファルークに、普段から「世の中のために善意を尽くしなさい」と言っていましたが、父に反発していたファルークは夜ごとライヴハウスへと出かけて行きます。
彼は以前ライブハウスで観たバンドの「スマイル」に魅了され、ライブ後にスマイルのメンバーを探していました。
そして偶然メアリー・オースティンという女性に彼らの居場所を聞きますが、彼女に一目惚れしてしまうのでした。
クイーンの活動が本格的に始動
ファルークはスマイルのメンバーに会い、ボーカルが脱退したことを聞きます。
彼はその場で自分をボーカルとして売り込み、その歌声を聞いたブライアン・メイたちはファルークを加えた新バンドの結成を決めました。
後の伝説的ロックバンド「クイーン」の誕生です。
この時ファルークは、新しい出発を切るためにフレディと名乗り始めるのでした。
その後、メアリーと再会したフレディは、次第に深い仲になっていきます。
クイーンは、斬新なアイデアや様々な演奏方法を試していました。
例えば、ティンパニー上にコインを撒いて叩いたりアンプをロープで吊るしたり、立体的な音響を使って録音するなど、斬新な演奏スタイルを確立していきました。
クイーンの試みは、まるで子供が遊んでいるように見えることもありましたが、その様子を見付けたのがアーティストの発掘をしていたジョン・リードです。
ジョンはクイーンのマネージャーを名乗り出て、さらに弁護士のジム・マイアミ・ビーチやジョンの知人であるポール・プレンターがマネージャーとなり、クイーンの活動が本格的に展開することになります。
クイーンの成功とフレディの孤独
フレディは、名字を「マーキュリー」と改名しました。
その後クイーンは「キラー・クイーン」をヒットさせ、瞬く間に彼らの名前が世の中に知れ渡りました。
次第に多忙を極める中、フレディはメアリーへの気持ちを忘れることはなく、プロポーズをします。
全米ツアーも成功させたクイーンは次々にヒット曲を飛ばした後に、アルバム製作のために田舎の一軒家に籠って1曲6分以上もある大作「ボヘミアン・ラプソディ」を制作しました。
しかし、EMIの重鎮レイ・フォスターからは「曲が長すぎてラジオで流してもらえない」と拒否されます。
フレディたちの独断でラジオで独占放送してもらった結果、EMIとの契約を破棄することになりましたが、曲は大ヒットします。
私生活では、フレディはマネージャーのポールと親密になり、自身のセクシュアリティに葛藤しながら、メアリーにバイセクシュアルだと告白します。
しかし、メアリーは彼がゲイだと言い放ち、やがて2人は破局を迎えました。
クイーンの成功の陰で、フレディは孤独に苦しむのでした。
フレディとクイーンの再生
次第にフレディは、ポールの知人たちと自堕落なパーティ三昧の生活に溺れ、バンドのメンバーたちとの関係に溝ができました。
マスコミによるフレディのスキャンダル報道やリードの解雇、ソロ活動契約にまつわるトラブルなどにより、バンドは決裂してしまいます。
フレディはソロアルバムの製作がうまく進まず、酒やドラッグに依存するようになり、体の不調を感じるようになります。
そんな中、元恋人のメアリーと再会したフレディは、彼女からクイーンこそが彼の居場所なのだと諭されて我に返り、ポールと決別しました。
フレディはバンドメンバーと話し合って和解し、アフリカ難民救済のチャリティーイベント「ライブエイド」への出演を決めます。
しかしその矢先、フレディがエイズウイルスに感染していることが判明しました。
彼は仲間たちにその事実を告げ、イベントの成功をお互いに誓い合うのでした。
その後フレディは、かつてメアリーと破局した当時に知り合ったジム・ハットンと再会し、交際し始めます。
彼はライブエイドの日にジムを家族に「友人」として紹介しますが、家族は彼を理解して受け入れました。
そしていよいよステージでは、クイーンは大観衆を魅了して、イベントを大成功へと導きます。
フレディ・マーキュリーは1991年にその生涯を閉じますが、最期までジムやメアリーが支え続けました。
彼の死後は、エイズ患者を支援する「マーキュリー・フェニックス・トラスト」が設立されました。
映画ライターもじゃの一言
本作は、フレディ・マーキュリーの知られざる人生を知ることができる感動作です。
やはりフレディのようにスターと呼ばれる大物は、手にする成功も苦悩も一般人とは比べ物にならないのだと思わせてくれます。
公開前から話題が沸騰していた映画ですが、その期待を裏切らない見応えで大満足でした。
最後の方で実際のクイーンの映像も見られるので、洋楽ファンには是非一度見て頂きたいですね。
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