「三度目の殺人」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

サスペンス映画

「三度目の殺人」のあらすじ

「三度目の殺人」は2017年公開の日本映画で、是枝裕和監督が原案や脚本までを手掛けたオリジナル作品です。

本作は『そして父になる』以来、是枝監督と福山雅治がタッグを組み、2018年に行われた第41回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞をはじめとした6部門を受賞しました。

勝ちにこだわる弁護士・重盛の今度の依頼者は、殺人と窃盗を行ったと言われる男でした。

しかしその男は、元々は重盛の同僚弁護士の摂津が担当をしていましたが、会う度に証言が二転三転するので重盛へ引き継がれた依頼者だったのです。

主な出演者

監督:是枝裕和 出演:福山雅治(重盛朋章)、広瀬すず(山中咲江)、満島真之介(川島輝)、市川実日子(篠原一葵)、松岡依都美(服部亜紀子)、井上肇(小野稔亮)、斉藤由貴(山中美津江)、吉田鋼太郎(摂津大輔)、役所広司(三隅高司)ほか

証言に信憑性のない依頼人・三隅

法廷で勝つことに強いこだわりを持つ弁護士・重盛朋章は、ある時同僚弁護士の摂津大輔から助力を求められました。

摂津は三隅高司の弁護を担当していますが、彼の証言が会う度にころころと変わるので真実を掴めず苦労していたのです。

 

三隅は食品加工工場の社長を殺害し、ガソリンをかけて火を付けた上、窃盗まで働いたという容疑がかかっていました。

お手上げ状態の摂津から、三隅の弁護を渋々引き継いだ重盛は三隅に面会し、彼が殺人容疑を認めていることが分かります。

ただ事前に摂津が言っていたように、動機や殺害方法の証言がいまいち信憑性に欠けていました。

 

三隅にはその前にも前科があったため、殺害を認めている以上死刑は免れないと思われましたが、重盛は何とか無期懲役を目指そうと、事件について調査を始めました。

そんな中で重盛は、殺された社長の妻・美津江と三隅が不倫をしていると考えますが、なぜか三隅は美津江よりもその娘・咲江との接点の方が多いようでした。

重盛が三隅の過去を調べ始める

被害者の娘・咲江は高校3年生で、生まれつき左足が悪く引き摺って歩いている子でした。

大人しく1人でいることが多く、また足が悪い原因は屋根から落ちたためだと話しているようで、矛盾がありました。

次に、重盛は三隅が過去に起こした事件を調べるため、彼の故郷である北海道へと飛びました。

北海道には三隅の息子が住んでいるので、何かが分かる可能性もあります。

 

三隅が過去に昭和61年に起こした事件とは、借金の取り立てに来た2人の殺害と金の強奪、建物への放火でした。

しかも当時、三隅の事件の裁判長を務めたのは他でもない重盛の父で、彼を悪党としながらも情状酌量を認めていたのです。

重盛は、その時に三隅を逮捕した警察官に会い、三隅の証言は当時もころころと変わり信用できなかったことを聞きました。

 

今度は裁判員裁判になるため、裁判員の情に訴えれば減刑が望めるかもしれません。

そう考えた重盛は三隅の息子に会いに行きますが、彼は父親が事件を起こしたために一家が引っ越しを余儀なくされたことを責めていました。

三隅には娘もいますが居所の情報を得られず、重盛はそのまま東京へ帰るのでした。

三隅が咲江のために殺害した可能性

三隅は重盛が息子に会いに行ったと聞き、怒りを露にしました。

それまで穏やかな印象だった彼の変わりように驚く重盛でしたが、何とか三隅の真実を知りたいと考えます。

重盛は三隅と交流のあった咲江を訪ね、彼の娘のことを話題にしますが、咲江は三隅の娘については聞いていないようでした。

 

情報を集めた結果、減刑を求めるために重盛は三隅が美津江から頼まれた末に被害者を殺してしまった、というシナリオを考えました。

三隅は美津江から、「例の件をお願いします」という内容のメールを受け取っていたためです。

いよいよ裁判が始まると、三隅は予定通りに証言してスムーズに進みましたが、美津江はその件について何も語りませんでした。

 

その後、重盛は咲江から驚くべき話を打ち明けられます。

実は咲江は被害者である実の父親から性的虐待を受けており、母親もそれを知りながら何もしなかったというのです。

咲江が三隅と交流するようになり、やがて虐待のことを知った彼が、咲江を助ける目的で犯行に及んだ可能性が浮かびました。

最後に一転して殺害を否定する三隅

咲江は、三隅を助けるために裁判で証言をすると申し出ます。

そんな彼女に重盛は、証言するには全てを曝す必要があると言いますが、覚悟はできていると話すのでした。

しかし第2公判前に面会した際に、三隅は咲江が嘘つきだと言うばかりか、殺人自体を否定し始めます。

 

逮捕された当初に無実を主張していた三隅でしたが、前科のある彼の主張は受け入れられず、殺人を認めれば罪が軽くなると説得されて従ったと言うのでした。

もし自白を強要されたのなら大事になりますが、今から主張を翻すのは却って不利になる可能性が高いのです。

三隅は「自分を信じてくれるか?」と、涙を流して重盛に問いました。

重盛は頭を悩ませますが、依頼人を信じたいと考えます。

 

結局第2公判では、咲江による証言の最終判断は彼女自身の判断に委ねられ、結局虐待の件は伏せられました。

三隅が最終陳述で殺害を否定したので法廷は混乱しましたが、審議が続けられた末に彼は死刑を言い渡されるのでした。

結局のところ重盛は最後まで三隅に翻弄され、彼の真実を見つけられませんでした。

ただ、死刑が決まった三隅の表情は安堵しているようでした。

映画ライターもじゃの一言

三隅が咲江のために彼女の父を殺害したのか、真犯人は実は咲江で三隅が庇っているのか、それとも美津江に依頼され殺害したのか、三隅は多重人格か何かなのか、本作は、観る人によって解釈が分かれる映画だと思います。

もし自分が主人公の弁護士・重盛だったらと想像すると、三隅の主張が二転三転するのはとても悩ましいことでしょう。

他人である依頼人を理解しようとする、弁護士の葛藤を疑似体験したような気持ちになりました。

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