「永い言い訳」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

ドキュメンタリー映画

「永い言い訳」のあらすじ

西川美和による小説「永い言い訳」は第28回山本周五郎賞候補、第153回直木三十五賞候補、2016年本屋大賞ノミネート作品です。

それを原作に著者自らが監督を行いました。

第41回トロント国際映画祭スペシャルプレゼンテーション部門出品作品です。

この「永い言い訳」は、交通事故で妻を亡くした遺族の交流を描きます。

2011年3月11日の震災で突然家族を失った人たちの後悔や、その人たちの人生を描きたかったと言います。

主な出演者

監督・原作:西川美和 出演:本木雅弘(衣笠幸夫/津村啓)、竹原ピストル(大宮陽一)、藤田健心(大宮真平)、白鳥玉季(大宮灯)、深津絵里(衣笠夏子)ほか

妻、夏子の死から

人気作家の津村啓、本名は衣笠幸夫、プロ野球選手の鉄人である衣笠祥夫と同制度名だったため、本名を嫌っていました。

ある日、幸夫は妻の夏子に髪を切ってもらっていました。

夫婦生活20年、まるでタレントと専属美容師のような関係です。

夏子はその日、高校時代の友人と山形の温泉へ、バスで出かけることになっていました。

 

幸夫は友人と出かける夏子を見送り、その隙に不倫行為をしていました。

翌日、テレビにはバスの事故の中継が流れています。

幸夫はテレビを消しましたが、電話がなりました。

夏子が死んだと言うのです。

不倫をしていたくらいの幸夫ですから、さして悲しい出来事として感じてはいませんでした。

 

しかしマスコミの手前、告別式では悲劇の夫を演じます。

「これからは誰に髪を切ってもらえばいいのでしょうか」と、幸夫は冷静に遺族として対応をしましたが、旅行会社の謝罪会見は乱闘騒ぎになりました。

乱闘の原因になった男が、話しかけてきました。
「幸夫くんだろ」、夏子の友人ゆきの夫の大宮陽一でした。

陽一の家族との出会い

ある花見の席で、編集者は幸夫に今回の事故について書いてくれと言いました。

幸夫は思わず編集者を殴り倒します。

その日の晩、幸夫の携帯がなったので見ると、陽一からでした。

実は幸夫と夏子、陽一と妻のゆきは同級生で幼馴染だったのです。

 

トラック運転手である陽一は突然妻を失い、2人の子供を抱えて途方に暮れていました。

そこで同じ境遇の幸夫に連絡してきた、と言うのです。

幸夫は陽一の家族とともに、食事に行くことにしました。

ところがそこで長女の灯がアレルギーを発症してしまい、陽一が病院へ連れて行きます。

 

その間、長男の真平を幸夫が預かることにしました。

陽一の仕事は長距離トラックのドライバーですので、週に2日しか帰ってくることができません。

中学受験を抱えた真平と保育園通いの灯、家事に不向きな陽一には到底無理でした。

一方で執筆に情熱を注ぎ込めない幸夫は、留守番を買って出ることにします。

充実した時間

幸夫はカレーが食べたいと言う灯に、レトルトではありますがカレーを作ります。

その後、保育園に送りました。

器用に家事をこなして、子供たちの信頼を得ていきます。

家事に没頭する中で、幸夫はこれまでにない充実感を味わっていたのです。

そんなある日、夏子のスマホで「もう愛していない、ダメかもしれない」というメッセージを見て、思いがけない事実を知ることになり、幸夫は絶望感に襲われます。

 

その日は、あかりの誕生パーティーの日でした。

学芸員の鏑木も加わり、和やかな雰囲気の中で灯がローソクを消します。

その時、陽一が「灯を鏑木の両親の経営する施設に預ける」と言い出しました。

妻のメールの一件で絶望感に打ちひしがれていた幸夫は、思わず暴言を吐いて出ていきました。

後を追いかける陽一に幸夫は「俺はあんたと違うの。夏子が死んだ日、彼女のベットで不倫していたんだ。俺は彼女が死んでも泣けなかったんだよ。」と伝えます。

 

陽一は、返す言葉が見つかりませんでした。

その後の陽一父子の家庭は荒れます。

灯の面倒を見るため塾にも行けない真平は、陽一と喧嘩をしてしまいます。

「僕が塾を休んでいることも知らないくせに。母さんの代わりに父さんが事故ればよかったのに」と言いました。

陽一の事故 家族を取り戻す

父子喧嘩の後、真平を殴ったまま仕事に行った陽一は、そのまま居眠り運転で事故を起こしてしまいます。

幸夫の元に連絡が入りました。

そして幸夫は、大宮家に連絡を入れます。

父親が帰ってこないことを案じていた真平に幸夫は事情を話し、陽一は大丈夫だと告げました。

翌朝、灯を鏑木の両親の施設に預け、2人で電車で病院へ向かいます。

 

「僕、お父さんが代わりに死ねばよかったって言っちゃったんだ」と、言いました。

そこで幸夫は真平に「お父さんは君たちのことを深く愛し、心配していたんだ。愛してくれる人を手放しちゃいけない。じゃないと僕みたいな人間になってしまう」と伝えます。

病院へ着くと、真平は陽一へ謝りました。

数ヶ月後、「永い言い訳」の出版記念パーティーが行われ、中学生で丸坊主の真平が挨拶をしました。

そして灯からはプレゼントを貰いました。

 

それは、大宮一家と楽しそうな夏子の写真でした。

幸夫の瞳からは涙が溢れ出します。

翌日に幸夫は、夏子の遺品を整理しました。

そしてハサミを見つめます。

部屋には、あの写真が飾られていました。

映画ライターkokoの一言

「永い言い訳」を見終わった後は、何か深いため息が出るような感覚です。

多くのことを考えさせられるような映画でした。

大切な人の突然の死というものに接する家族の心境。

受け入れられなかったり、人のせいにしてみたり、正面から受け止められなかったり、忙しくて考えられなかったり、それぞれの悲しみを支え合っているような温かみを感じ、人のつながりの大切さを感じました。

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