「寄生獣 完結編」のあらすじ
岩明均氏の漫画『寄生獣』を映画化の後編、完結編の映画になります。
主人公である新一と共生しているパラサイトのミギー、二人が新一の母親を殺したAへの復讐を果たした後の物語です。
徐々に世間もパラサイトの存在に気が付き始め、警察はパラサイトと関連している新一に興味を持ち始めていました。
パラサイト側からも新一とミギー、そして新一にAの居場所を教えたパラサイトの田宮を危険視する声が上がり始めていました。
二つの大きな勢力に翻弄されていく新一たちと人類の運命を描きます。
主な出演者
監督:山崎貴 出演者:染谷将太(泉新一)、阿部サダヲ(ミギー(声・モーションキャプチャー))、深津絵里(田宮良子)、橋本愛(村野里美)、浅野忠信(後藤)ほか
人間かパラサイトか、特殊能力によって選別される新一
パラサイト(寄生生物)の正体について捜査を進める警察は、泉新一がパラサイトなのではないかとの疑いを強めていました。
そこでパラサイトと人間を区別する能力を持っている、快楽殺人者であり囚人の浦上に新一を診断させることにします。
結果として新一は、浦上によって「人間」であるという診断が下されました。
一方で、かつては新一の通う学校に教師として赴任し、パラサイトAとの間に子どもを授かっていたパラサイトの田宮良子は、二人の元を去った後もフリーランスの記者の倉森を使って、新一とミギーの監視を継続していました。
彼女の検証は、生殖活動が出来ないパラサイトと人間が共生していく事ができるのか、というものです。
検証内容的に、パラサイトの中でも人間の擁護派であることから、彼女は次第にパラサイトネットワークの中でも、徐々に肩身の狭い思いを強いられていく事になります。
そして田宮から尾行を依頼された倉森は敢え無く二人につかまってしまい、自身に尾行を依頼してきた田宮自身がパラサイトである、と忠告される事になりました。
新一&ミギーたちに襲い掛かるパラサイトと人間からの攻撃
徐々に高まっていく人間とパラサイトの対立の中で、市長としてパラサイトの存在を認めさせるための活動を行っている広川は、人間側についた新一&ミギーや田宮、そしてパラサイトに探りを入れてくるフリーライター倉森の抹殺を仲間たちに支持しました。
激しさを増すパラサイト達の攻撃になんとか耐え忍んでいた3人でしたが、その中で倉森の子供がパラサイトに殺されてします。
その憎しみは深く、自らをこの戦いに導き、そして共闘をしていたパラサイトである田宮に怒りの矛先が向かいました。
倉森は新一の静止を聞かずに田宮の子供を誘拐し、田宮を警察の前に誘い出します。
そして人々の前で田宮は、自らの体をパラサイトの能力を使って変形させる事になってしまいました。
正体を現した田宮は、すぐさま警察によって射殺されてしまいます。
田宮は最後に、自らの子供を新一に託していました。
同時にパラサイトの巣窟となっていた市役所に攻勢をかけていた警察は広川を射殺しますが、五体のパラサイトを一つの体に寄生させた広川のボディーガード、後藤によって殲滅させられます。
圧倒的な力を得たパラサイトと新一との攻防
今までのパラサイトよりも圧倒的な力を持つ後藤と戦闘することになった新一たちですが、敗北を悟りその場から逃げ出します。
しかし、新一の殺戮を目的としている後藤は、執拗に新一たちを追い詰めました。
激しくなる攻撃に、このままでは二人とも殺されると悟ったミギーは自らの体を新一から分離して、自身がが囮になることで新一を逃がすことに成功しました。
辛くも逃げ延びた新一ですが、既に深い信頼関係を築いていた相棒のようなミギーを失った喪失感は、計り知れないものでした。
そこに幼馴染である里美が駆けつけ、二人は愛を確かめ合います。
そしてミギーの足止めもむなしく新一を追いかけてきた後藤が、二人の前に立ちふさがりました。
新一は美里を守るためにも、戦う決意を固めます。
新一は激しい攻防を繰り広げながら、ゴミの焼却施設に逃げ込みます。
とうとう追い詰められた新一でしたが、更に後藤はパラサイトを生み出したのが人間であることを明かしました。
その言葉に動揺する新一でしたが、その時に右腕にかすかにミギーの細胞が残っていることを確信します。
決着、ミギーとのその後と最後に現れた敵
新一はゴミ焼却業の中にあった放射能廃棄物を使い、ミギーを取り戻すことに成功します。
そして放射能を帯びた金属を後藤に叩き込み、後藤を倒すことに成功しました。
後藤は何とか生き延びる為に、あがき続けます。
その姿に新一は憐憫の情を感じますが、恋人である美里が目に入ると決心をして、後藤を焼却炉の中に突き落として殺害しました。
そして無事に新一の右腕に戻ってきたミギーですが、新一の体を蝕んだ放射能の影響を緩和するために新一の体の細胞を修復させ、力を使い果たしたミギーは深い眠りについたのでした。
右腕はまだ返事をしませんでしたが、新一は改めて平穏な日々を取り戻しました。
日常の生活を送る中で、田宮が残した子供に会うために施設を訪れていた新一と美里ですが、そこに快楽殺人者である浦上が登場します。
浦上は美里を誘拐し、新一をビルの屋上へ呼び出しました。
浦上はパラサイトと共生する新一に対し、殺しこそ人間の本質であると言い、新一に対して賛同を求めます。
しかしその言葉に反発をしたのは里美です。
その里美の態度に激高した浦上は、美里を屋上から投げ飛ばしました。
新一は浦上を一瞬で倒して美里を救出しようと試みますが、一歩及ばず落ちてしまいます。
その時新一の脳裏にはミギーが現れ、人間の不思議さを語り去っていきます。
そしてビルから落ちたはずの美里を、新一の右手が掴んで助けていました。
新一は二度と会えないはずのミギーが助けてくれたのだ、と確信しました。
映画ライターhatiの一言
原作が深くて重い内容をテーマにしている作品なので、その部分を映画の中にきちんと詰め込められたかというと、ちょっと物足りなさは感じます。
ただ表現やアクションなどは前編に続いてよく出来ており、寄生獣を漫画でまだ読んでいない人には特にお勧めできるかもしれません。
ややこしい人間模様がある分、映像で見ると完結に見れるのではないかと思います。
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