「ぼくらの家路」のあらすじ
「ぼくらの家路」は2015年に公開された映画になり、2014年に行われた第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された作品です。
10歳の少年と6歳の弟は、母親とベルリンで暮らしていました。
母親はジャックたちを愛しながらも恋愛に夢中になり、子供たちを家に放っておく始末です。
弟の世話はジャックが全て行っており、ある事件をきっかけにジャックは施設に預けられることになります。
施設でいじめを受けたジャックは、弟と共に母親を探すことにしました。
主な出演者
脚本・監督:エドワード・ベルガー 出演者:イボ・ピッツカー(ジャック)、ゲオルグ・アームズ(マヌエル)、ルイーズ・ヘイヤー(ザナ)ほか
ジャックは母親に変わりマヌエルの世話をする
10歳のジャックは、6歳のマヌエルの面倒を毎日見るのが日課となっていました。
弟を起こしたり、食事の用意をして弟に食べさせたりしているのですが、一緒に住んでいるシングルマザーの母親の姿はありません。
ジャックは家事をこなしてから学校に向かうため、自分が食事をとる時間がなく、いつも食パンをかじりながら学校へと向かっていました。
ジャックとマヌエルはシングルマザーの母親と一緒に生活していて、母はとても優しかったものの年齢が若いこともあり、恋人と過ごす時間や夜遊びを優先していました。
ある日、母親と彼氏がいる部屋にお腹が空いたと言ってジャックが入っていくと、母親は怒ることもなく裸のままキッチンに行き、食べるものを出してくれました。
翌朝、母親と弟の3人で遊んでいたとき、彼氏も一緒に遊び始めました。
マヌエルが火傷を負い、ジャックは施設で暮らすことになる
楽しく遊んでいたところを邪魔されたジャックは、冷たい目で彼の洋服や靴を窓から投げ捨てます。
母親はそれを見ていたのですがジャックを叱ろうともせず、怒る彼氏からジャックを庇ってくれました。
怒った彼氏はそのまま家を出ていき、母親は彼を追いかけて出ていきました。
少し時間が経つと母親が帰ってきて、不機嫌そうに大きな音を立てて皿を洗い始めました。
ジャックは母親の様子を窺うように、飲みかけのコップを持って母親の側に行きました。
母親は仲直りの印と言わんばかりにココアを入れてくれて、嬉しそうに飲むジャックを母親はそっと見守りました。
ある日、母親が家に不在だったとき、弟のマヌエルがバスルームで誤って熱湯を浴びてしまいます。
マヌエルが火傷を負ってしまったことをきっかけに、ジャックは施設に預けられることになりました。
弟のマヌエルは親戚の家に預けられることになり、兄弟は離れ離れとなってしまいます。
寂しさから心を開けなかったジャックは、施設で友達も作れず、その場所に馴染むことができませんでした。
そして、ジャックが待ちに待った夏休みが訪れました。
ジャックとマヌエルは母親を探し回る
夏休みは家に帰宅を許されていたのですが、母親から施設に連絡が入り、「迎えは3日後になる」とジャックに告げました。
ショックを受けたジャックは施設でいじめられていたこともあり、施設を飛び出してしまいます。
ジャックは夜通し歩き続け、やっとの思いで自宅に着いたのですが、母親は不在でいつもの場所に鍵も置いてありませんでした。
ジャックは母親の携帯電話に電話を掛けたのですが、留守番メッセージばかり流れます。
ジャックは仕方なく母親に「ママを捜している」と伝言を残し、マヌエルを預けている親戚のもとに迎えに行き、マヌエルと一緒に母親を探すことにします。
しかし、ジャックとマヌエルはお金も食べ物も持っていなかったため、コーヒーショップに置かれているミルクやシュガーを盗んで空腹をしのいでいました。
夜は駐車場に置かれている廃車をねぐらにしていたのですが、時には大人に殴られることもありました。
母親を探している間、ジャックとマヌエルに幾度となく試練が訪れ、その度にジャックは弟のマヌエルを連れて走ったり、隠れたりして必死に危機を逃れようとしました。
施設を脱走し3日後、母親と再会
ジャックは弟のマヌエルを連れて、母親が働いている仕事先やナイトクラブ、昔の彼氏が働いていた事務所を回ったりして、母親の行方を探しながらベルリン中を歩き回りました。
施設を飛び出して3日目、自宅に帰っていた母親とようやく再会できました。
母親はマヌエルを寝かしつけると、ジャックの歯を磨いてくれました。
するとジャックはふと何かを思い起こし、いつでも自宅に入れるように自宅の鍵をそっと手にします。
母親の元カレはジャックを警察に連れて行こうとするのですが、ジャックはこれを拒みます。
ジャックは弟のマヌエルを連れて施設に戻り、インターホンに「ジャックです」と名乗りました。
映画ライタータイリュウの一言
小さい子供を家に残して遊んでいた母親は、とても母親とは言えないと思いました。
子供を育てている以上、子供に寂しい思いをさせてはいけないと思って子育てをしています。
もちろん1人で気晴らしに遊びに行きたいと思うこともあるのですが、子供を産んで育てようと思ったのは自分なので、1人で遊びに行きたいという思いを捨て去るようにしています。
そういった面から見ても、とても残酷な話だと思います。
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