「夜は短し歩けよ乙女」のあらすじ
「夜は短し歩けよ乙女」は2017年に公開された日本のアニメ映画で、『四畳半神話大系』で知られている森見登美彦の同名小説を原作とした作品です。
冴えない大学生の「先輩」は、同じ大学の後輩の「黒髪の乙女」が好きでしたが、なかなか告白ができずにいました。
先輩は、なるべく彼女の視界に入ることで気を引くだけで精一杯だったのです。
しかし、黒髪の乙女との距離は思うように縮まらずにいました。
主役の「先輩」の声を人気歌手・俳優の星野源が務めたことも話題になりました。
主な出演者
監督:湯浅政明 声の出演:星野源(先輩)、花澤香菜(黒髪の乙女)、神谷浩史(学園祭事務局長)、秋山竜次(パンツ総番長)、中井和哉(樋口師匠)、甲斐田裕子(羽貫さん)、吉野裕行(古本市の神様)、ほか
披露宴出席後、一人で酒を飲む乙女
冴えない大学生の「先輩」は、大学の同じクラブの後輩である「黒髪の乙女」が好きでした。
もう1年近く片思いしていますが、自分から告白する勇気が出せずにいました。
そんな先輩は黒髪の乙女の気を引くため、なるべく彼女の目に留まる作戦、略して「ナカメ作戦」をしてきました。
今日は、大学の卒業生である先輩夫妻の結婚披露宴に出席していました。
その席には黒髪の乙女もいましたが、酒豪である彼女は先輩たちの手前、思うようにお酒が飲めないのを残念に思っていました。
一方の先輩は少しでも黒髪の乙女と仲良くなりたいと考えていましたが、あまりにさり気ないアプローチに友人たちも呆れています。
先輩は結婚式の二次会で黒髪の乙女に話し掛けようと考えますが、そんなことに全く気付いていない彼女は一人でバーへ入るのでした。
乙女が誰にも気兼ねなくお酒を飲んでいると、隣に座った東堂さんという男性から、偽電気ブランという幻のカクテルの話を聞きます。
乙女が李白との飲み比べで勝利する
その後、黒髪の乙女は樋口師匠と羽貫さんという2人に気に入られて、3人で夜の街へ行き飲み歩きました。
2人組はお金を持っておらず、黒髪の乙女は誘われるまま、見知らぬ人たちの宴会にまで入り込むのでした。
先輩は、先に出て行った乙女の居場所を探していましたが、その途中で身ぐるみ剥がされてしまいます。
先ほど乙女にカクテルの話をした東堂さんが現れ、先輩は一緒に酒を飲みます。
経営していた錦鯉センターが竜巻の被害に遭い、借金を背負ってしまった東堂さんは、酒が進むと泣いてしまいます。
東堂さんの友人・千歳屋も合流し、彼らが春画などを集める「閨房調査団」に所属しており、借金を返すために集めた春画を手放そうとしていることが分かりました。
一方の乙女は、東堂さんが借金をしている権力者の「李白」に連れて行かれそうになるのを庇います。
乙女は東堂さんの借金を賭け、酒豪で鳴らしている李白と飲み比べすることになり、彼女が笑顔で勝利しました。
先輩が『ラ・タ・タ・タム』を手にする
あくる日、黒髪の乙女は幼い頃に読んでいた絵本『ラ・タ・タ・タム』が出品されているという噂を聞き、下鴨納涼古本祭に来ていました。
しかし現在絵本を所有しているのは、あの李白でした。
先輩も黒髪の乙女が『ラ・タ・タ・タム』を探しているとの情報を得て、古本市に足を運びました。
乙女が絵本を探し回っていると、羽貫さんや先輩の友人である「パンツ総番長」に会いました。
パンツ総番長は以前学園祭で会った女性に恋をしており、彼女と再会することを夢見て、同じパンツを履き続けていたのです。
李白は、自分が所有する本を賭けて我慢大会を開きました。
持って来られたのは、大きな激辛火鍋です。
火鍋の食べ比べをして、最後まで音を上げなかった人間にどれでも好きな本を譲るという趣向でした。
李白のコレクションには、黒髪の乙女が正に子どもの頃、持っていた絵本もありました。
先輩は、見事『ラ・タ・タ・タム』を勝ち取りました。
先輩は乙女に絵本をプレゼントした
学園祭で黒髪の乙女に『ラ・タ・タ・タム』を渡そうとする先輩でしたが、学園祭事務局長に捕まります。
学園祭事務局長はゲリラ演劇の『偏屈王』の存在に頭を悩ませており、取り締まっていました。
『偏屈王』の劇には、大学のサークルや学生の内情も混じっていたのです。
しかし、劇のヒロインであるプリンセスダルマ役がいなくなってしまい、通りすがりの黒髪の乙女がその代役を務めることになりました。
成り行きでしたが、乙女はヒロイン役を立派にこなしました。
そんな中、『偏屈王』の主宰兼主演がパンツ総番長だということが分かります。
パンツ総番長は、一目惚れした相手が見に来てくれるようにゲリラ演劇を始めたのでした。
いよいよ彼は舞台から相手を呼び向こうも答えてくれましたが、パンツ総番長の片思いの相手は女装の学園祭事務局長でした。
がっかりするパンツ総番長に、彼に想いを寄せていた仲間の女性が告白し、2人は付き合うことになりました。
その後、乙女は風邪を引いた先輩の看病に行き、先輩から『ラ・タ・タ・タム』の絵本を受け取ります。
2人は今度、デートすることになりました。
映画ライターもじゃの一言
独特なアニメの絵柄と荒唐無稽にも思えるストーリー展開で、はまれば面白いと思います。
原作者ゆかりの京都の地名が出てくるので、近隣に住んでいる方なら特に楽しめるでしょう。
クセの強い個性的な登場人物たちやファンタジーな描写は、正にアニメーション化にぴったりな作品だと感じました。
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