「紙の月」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

サスペンス映画

「紙の月」のあらすじ

直木賞作家の角田光代の長編小説の「紙の月」が原作です。

宮沢りえさんが演じた、一見すると小心者でとても控えめな印象の普通の主婦が、契約社員の銀行員を演じています。

その普通の主婦が、年下の男性との関係に溺れていくことで大変な状況へ陥ります。

少々のはずが、徐々に巨大な横領に変貌していくことになるサスペンス映画です。

主な出演者

宮沢りえ(梅澤梨花)、池松壮亮(平林光太)、石橋蓮司(平林孝三)、田辺誠一(梅澤正文)、大島優子(相川恵子)、近藤芳正(井上祐司)、小林聡美(隅より子)、中原ひとみ(名護たまえ)、平祐奈(中学時代の梅澤梨花)ほか

金に対する欲望

オルガンの音色が響く中、中学生がキャンドルを持ちながら、学校にある礼拝堂でクリスマスの讃美歌を歌っていました。

そんな中に、一人だけ教室でお金を数えて封筒に入れている、長い髪の女生徒がいました。

それから、十数年が経った1994年から物語は始まります。

朝の通勤電車のときでした。

 

自分が降りる駅で夫と別れてホームに降りていたのは、大人になった長い髪の女生徒の姿でした。

彼女は既に結婚をしており、名前は梅澤梨花と言いました。

元々一般的な普通の主婦だったのですが、パートとして就職した銀行で職を重ね、契約社員となることができ、営業することになりました。

自転車をこいで裕福な高齢者の顧客回りをしながら、様々な金融商品の販売をしたり、たくさんの預金を預かることが業務でした。

 

前任者から仕事を引き継いでいることから、やらしい目つきをしている平林という老人の家を訪ねます。

そこで国債を勧めるのですが、前任者と言うことが違うと言われてしまい、クレームに発展しそうになります。

平林は最終的には国債を購入することに決めるのですが、手続きする前にお茶を入れろと言います。

そして「前任者はお茶を入れた」と言いながら、台所でお茶を入れる梨花の肩に平林が手を置こうとします。

その時、平林の孫でもある大学生の光太が現れて声を掛けてくれたので、その場の難をうまく逃れることができました。

光太との再会

梨花は契約社員になってから大きな契約を取ることができた記念として、夫の正文とお揃いでペアウォッチを購入して帰宅します。

ところが、その時計を見た時の夫の反応は「ゴルフの時に着ける」と、あまり良い反応ではありません。

夫は上海の関係の仕事をしていたことから、席を立ちソファーで中国語の勉強を始めます。

そんな夫の姿を見て、梨花には満たされない思いが強く残ることになります。

 

そんなある日、駅の改札でたまたま平林の孫の光太とすれ違うことになります。

光太から、「一度お会いしましたよね」と声をかけられました。

梨花のことが忘れることができなかった光太は改札に再び入り、梨花をホームまで追いかけて、同じ車両に乗り込みました。

梨花はそれに気づいたのですが、自分の降りる駅で降りてしまい、光太もそれ以上は追いかけてはきませんでした。

 

後日、再び駅のホームで偶然二人は再開をすることになります。

そして二人は無言のままホテルへと直行をして、肉体関係を結びました。

梨花は朝方になってから自宅へ帰りましたが、夫の正文はその時は上海出張中でもあり、遅くなってから帰宅したことから、梨花の朝帰りはバレることはありませんでした。

正文は上海土産として、先日の梨花の買った時計よりも高い時計を購入しており、それを梨花にプレゼントしました。

しかしそれは、梨花の心へ響きわたるプレゼントではありませんでした。

ついに事件を引き起こす

梨花と正文には子供がいません。

そのため正文は上海に転勤をすることになり、梨花に一緒に着いてきて欲しいと伝えます。

ところが梨花は仕事が忙しいからと、上海行きをあっさりと断ってしまうのです。

正文は1人上海に向かい、2年にも及ぶ海外転勤の最中に、梨花は光太との関係にどんどん溺れていくことになります。

光太は平林から学費を借りていました。

それを知った梨花は光太を援助するために、客から預かった200万円ものお金を着服してしまいます。

 

夫がいない自宅は、梨花が証書の偽造をしていくことで、まるでオフィスのようになっていきます。

その頃からは、梨花の服装も化粧も派手になっていきました。

そんなある日、同僚の相川恵子から、「身に着けるものとか、見張られてますよ」と忠告されてしまいます。

恵子は人様のお金を扱っていると気がおかしくなりそうで、悪いことを絶対にしないように私の手を見張っててくれませんかと言います。

加えて、次長の井上と深い関係にあるなど、梨花へと打ち明けました。

昔の自分に

そんな時、梨花と光太が逢瀬を重ねていたマンションに、光太が若い女性を連れ込んだところに偶然出くわしてしまいます。

それを機に、梨花と光太の関係は終わってしまいました。

梨花の横領について感好き始めたお局社員の隅より子は、次長に梨花の横領のことを話します。

そして次長から問いただされることになります。

ところが次長と相川の関係を他の人にバラさないと次長を脅すことで、梨花はその場を何とか凌げました。

 

梨花は横領したお金を返すために、今度はまた「プラチナ金利」といった嘘のチラシを作って、顧客から金を騙し取り、それを着服することで雪だるま式へ横領額が増えていくことになり、消費者金融に頼ろうとします。

しかし、思いとどまって正直に次長や隅に打ち明けることにしました。

隅は「自分がもし、あなただったらどうするだろうと考えていた」と語りかけます。

「私が自分よりみじめな立場になったのなら、優しくするんですか?」と梨花は言います。

隅は「お金でやりたいことを全てやったあなたから見たら、私の方がみじめ」と言い返します。

そして梨花は、2階の窓ガラスに椅子を投げつけて割り、そこから逃走しました。

 

しばらくして、梨花はどこかの東南アジアの国にいました。

そこは梨花が中学生のとき、貧しい子供たちに寄付をしていたあの国でした。

当初は学校のシスターが呼び掛けていた寄付活動も、初めから金銭的な感覚がおかしかった梨花によって中止されていました。

それは梨花が、父親の財布から盗んでいた大金を寄付したからです。

この国へ逃亡してきた梨花は、当時助けていた子供が既に成長をしていて、果物売りをしていました。

ただ立ち尽くして言葉も全く通じない様子の梨花に対して、その彼はりんごを恵んでくれました。

梨花は、そのりんごにかぶりつきました。

映画ライターりょうの一言

若い男の子とそんなに簡単に恋に落ちるのかなと疑問に思うところもあるけれど、何歳になっても好きな人と会うと気分がすごく変わります。

そんな態度の自分が嫌いじゃない、というのがすごく共感できました。

横領したことは悪いことだけど、瞬間でも一生懸命人を好きになれたのは、とてもいいことです。

でも結婚したら、自分の仕事よりも夫に一生ついていく方が良いと思います。

少し自分勝手すぎると思いました。

コメント