「ゼロの焦点」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

サスペンス映画

「ゼロの焦点」のあらすじ

松本清張の長編推理小説です。

同名小説「ゼロの焦点」の映画版になります。

北陸を舞台に繰り広げられる、太平洋戦争直後に端を発する時代の傷跡が生んだ連続殺人事件を描きます。

お見合い結婚をした憲一と禎子、ある日、金沢へ行った憲一が帰宅をしませんでした。

心配をした禎子が金沢へ向かうと、憲一は下宿には住んでいません。

調査を進める中で、様々な人が殺されていきます。

やがて浮かびあがる憲一の過去と、衝撃の結末を描いています。

主な出演者

監督:犬童一心 出演:広末涼子(鵜原禎子)、中谷美紀(室田佐知子)、木村多江(田沼久子)、杉本哲太(鵜原宗太郎)、崎本大海(鳴海亨)、西島秀俊(鵜原憲一)ほか

憲一が行方不明に

鵜原憲一は、金沢で広告代理店に務めていますが、坂根禎子26歳とお見合いをします。

あまり自分のことを話さない憲一は、やがて禎子と結婚をします。

二人は、紅葉が盛りを迎える信州から木曽へと、新婚旅行へ行きました。

その10日後、昭和32年12月、憲一は仕事の引き継ぎのために金沢へと、1週間の予定で出張へ向かいます。

 

しかし憲一は、1週間を過ぎても帰ってきませんでした。

心配をする禎子の元に、勤務先から連絡が入りました。

なんと禎子の元にもたらされたのは、憲一が北陸で行方不明になった、という知らせだったのです。

先に送られてきていた憲一の荷物を片付けていた禎子は、本の中から2枚の建物の写真を見つけました。

それが気になった禎子は、急遽金沢へと向かうことにします。

 

金沢についた禎子は、所長の青木の元へと向かいます。

そこに自殺の名所と言われている場所で、海岸で男性の変死体が上がったという知らせが届きます。

禎子は急いでその死体を確認しに行きましたが、判別するのも難しい状態の死体は、憲一ではありませんでした。

そして金沢で憲一が住んでいたという下宿を調べますが、そこに憲一は住んではおらず、当時の所在は会社すら把握していなかったのです。

憲一の行方を探せ

禎子は憲一の後任である本多の協力で、憲一の行方を捜します。

本多は禎子に、会社のことを教えてくれました。

禎子は本多の紹介で、工場にいる室田社長という人物に会うことになります。

工場へ会いに行くと、妻の佐知子が現れました。

室田社長は、妻の佐知子が憲一の私生活をよく知っているというのです。

 

日本で初めてとなる婦人市長を目指している佐知子は、禎子を家に連れて行きました。

その家は本に挟まっていた建物の写真の家でした。

この家で、憲一は室田夫婦とお別れ会をしたというのです。

夜、母親からの電話で、憲一がこの会社に入社する以前は、立川で警察をしていたと教えられます。

憲一の兄の宗太郎が金沢にきて、鶴来の旅館で人に会うと部屋を借りますが、何者かに毒殺されてしまいます。

その時に、赤いコートの派手な女性が目撃されていました。

 

受付の女、田沼久子は社長の愛人との噂が立っていました。

久子の内縁の夫は自殺していました。

憲一が戻る予定だった日に、久子の夫の遺体が見つかったと言います。

禎子が久子と男について調べると、たどり着いたのはもう一枚の建物の写真の場所でした。

憲一は名前を偽り、久子と暮らしていたのです。

警察で久子宛の憲一の遺書を目にした禎子は、書体も憲一のものと一致していたことが分かります。

憲一の隠された過去

会社に勤める前に、憲一が働いていた警察を訪ねるために、禎子は立川を訪れました。

昭和23年、当時はアメリカ兵が多く、遊女たちも多く集まっていました。

その遊女を、憲一と一緒に取り締まっていた人に話を聞くことができました。

そこで久子について尋ねると、数日前にも同じことを聞きにきた人がいると言います。

その人物とは、室田社長でした。

遊女たちが下宿していた宿で久子の話を聞くと、写真も見せてくれました。

 

その写真には佐知子が写っていたのです。

その当時、佐知子は久子を連れて逃げていたというのです。

2年前に憲一は金沢で久子と偶然再会をしたのですが、そのとき憲一は名前を偽っていました。

自殺をした後、久子の話を憲一から聞いていた兄、宗太郎は久子を尋ねましたが、名前が違ったために宗太郎の言葉を信じませんでした。

憲一は、金沢時代に佐知子と久子に出会っていました。

しかし禎子と出会ってしまった憲一は、久子の内縁の夫という存在を偽装自殺で消そうと企んでいたのです。

佐知子の企み

過去の話をバラされたくない佐知子は、憲一の偽装を手伝うふりをしました。

断崖に遺書を置いて、後ろから突き落としたのです。

しかし、後に佐知子は久子が一緒に暮らしていたのが憲一だと知ることになります。

バレるのを恐れ、感づき初めていた宗太郎と調査を進めていた本多を、佐知子は殺します。

そして佐知子は久子をも殺そうとするのですが、久子は自殺を図りました。

 

久子のカバンから母子手帳を見つけた佐知子は、それを見て発狂して暴れ出します。

その後、殺した記憶をなくしてしまいます。

婦人市長の選挙が無事に終わりました。

市長に当選した佐知子は、演説をしています。

一方で佐知子の罪を被った室田室長が、警察へ出頭する直前に拳銃自殺をしました。

 

禎子は佐知子の当選報告会場に向かいます。

そこで、遊女時代の佐知子の名前を呼びました。

そして禎子は佐知子を殴ります。

佐知子は禎子に、憲一は誰より禎子のことを愛していたと伝えます。

それを聞いた禎子は、その場で泣き崩れてしまいました。

姿を消した佐知子は1週間後、船に乗って死んでいるのを発見されました。

映画ライターkokoの一言

松本清張シリーズということで期待に胸を膨らませて鑑賞しました。

キャストもなかなかの顔ぶれで、ますます期待が大きくなります。

木村多江の演技はさすがですし、中谷美紀も言うまでもなく流石の演技力です。

昭和の混沌とした時代背景に枯れたような時代感が伝わってきます。

これぞ邦画というような、なんとも言えない世界観がよかったです。

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