◆あらすじ
夏休みの初日に楽しみにしていたハンドボールで問題を起こして謹慎させられた琉花は、両親の働く水族館で不思議な少年と出会います。
水中を自由自在に泳ぐ海と空という2人の少年は、普通の人間と同じとされていますが、科学では分からない体の中の変化に違和感を感じていました。
短命の空と海は水族館で、どうすれば長生きできるのか自身を研究させています。
そんな2人と行動を共にするようになった琉花は、海のどこかで起こるという誕生祭に遭遇する事になります。
◆主な出演者
監督:渡辺歩 声優:芦田愛菜(安海琉花)、石橋陽彩(海)、浦上晟周(空)、田中泯(ジム・キューザック)、森崎ウィン(アングラード)、富司純子(デデ)、渡辺徹(先生)、稲垣吾郎(安海正明)、蒼井優(安海加奈子)ほか
◆ジュゴンに育てられた少年との出会い:起
琉花が目を開けると目の前には数々の魚が水槽を泳いでいました。
水族館に両親と来ていた小さな頃の記憶です。
夏休み初日の琉花はハンドボールで大活躍し、相手チームの人間から足を引っかけられて転倒しました。
勝気な琉花はラフプレーで仕返しをして怪我をさせます。
そして謝る気のない琉花はハンドボールの謹慎を食らいました。
琉花は懐かしんだ父のいる水族館い行くと、水槽の中を自由に泳ぐ海という少年がいます。
海はフィリピンの沖合でジュゴンの群れといる所をもう一人の少年と発見されたそうです。
海で暮らしている海は極端に乾燥に弱く、研究の為に水族館で預かっています。
ハンドボールができずに学校の教室で横たわる琉花を、海が見つけ出しました。
人魂が来るから見に行こうよと海は琉花を誘います。
堤防まで海と来た琉花は、光る人魂が流れるのを目撃しました。
光るものは見つけてほしいから光るのだと海は言います。
そして琉花は誰かに見つけてほしかったのだと気付きました。
◆長生きできない空は自身を研究させている:承
隕石が落下し、その周辺にザトウクジラが多数目撃されます。
水族館にいる海洋生物学者のジムが予期した通りです。
ジムが流した音楽に反応した琉花が質問すると、複雑な情報をそのまま伝えるクジラの歌だとジムは説明します。
砂浜に向かった琉花は、海の兄である空に出会いました。
空は波打ち際で、クジラの歌から沢山の情報を聞いています。
琉花が海に興味あっても海は琉花に興味あるのかな?などと琉花を馬鹿にする空に琉花は腹を立てました。
琉花は海と人魂を見るつもりでした。
琉花はジムが録音したクジラの歌を聞いて、クジラと人魂、赤ちゃんみたいな何かのお祝いが浮かんでいました。
沖から海が戻ると、琉花は同じ匂いがすると空は言います。
海と空、琉花は水族館の舟に勝手に乗り、空は適当に操縦してしまいました。
すると沖で舟は動かなくなります。
海で育った海と空は体を冷やさないと火傷みたいになり、寿命も短いかもしれないと海は言いました。
長く生きられるように研究させているそうです。
◆海のどこかで起こる誕生祭を調べるアングラード:転
何か来ている、と海は琉花を誘って海に飛び込みます。
琉花も海に入ると、ジンベイザメの群れによる水流に流され、海と空が救出しました。
そして琉花はジンベイザメが光っていて、水族館でも同じように光って消えたと言うと、海と空も同じものを見たそうです。
空は琉花にクジラの歌を聞いたかと聞き、クジラの歌によって祭りのゲストを探してると言います。
海と空は、誕生祭という海のどこかで起こる凄い祭りと自分らの関わりを調べ、ジムと世界中を巡っていました。
陸上に適応する海と違い、空は衰弱していっています。
ジムは急いで祭りの実態を追っていました。
当然空は、「あるのか」と言い出し海に飛び込み、海も空を追いかけます。
置き去りにされた琉花はたまたま通りかかった船に助けられました。
空は行方不明になり、新海の魚が砂浜に大量に打ち上げられます。
琉花は海に連れられて若き天才海洋学者のアングラードと共にいる空と浜で再会しました。
◆誕生祭を見届ける琉花:結
検査や実験を受けて来た海と空ですが、科学では異常が認められません。
この世界は見えないものが大半だとアングラードは言います。空は琉花に海での泳ぎ方を教え、体内の隕石を琉花に飲ませて時間切れだと言って海の中に入っていきました。
すると隕石を飲んだ琉花に空が食べられる映像が共有されます。
それから海は言葉を忘れたように喋らなくなりました。
沖にザトウクジラが現れ、海の何でも屋というデデに、クジラの歌を聞いた琉花と海は追いかけてもらいました。
琉花は海に飛び込み、祭りのゲストとしてオキゴンドウの群れに混ざって泳ぎます。
ザトウクジラに琉花が飲み込まれると、海の生き物たちが移動を始めました。
隕石が目覚めたと空は言い、どうなるのか知りたければ見届けろと琉花に伝えます。しかし、空は人の記憶を混ぜる隕石による琉花の記憶です。
琉花が目を閉じると祭りの本番が始まりました。
祭りを見届けた琉花に海はさよならを告げ、海の中に消えていきます。
◆映画ライターヒロキの一言
筆者が『海獣の子供』を原作で読み、映像で見てみたいと思っていました。
海獣の子供で何度か触れている言葉は一部しか表現できないというもの。
クジラは人間以上にありのままを歌で表現しているそうです。
その通り、この作品は映像でこそより楽しめるものではなかと思います。
『海獣の子供』は美しい映像を手書きで表現しています。
CGでは表せないようなキメの細かい美しい映像からは、自分が産まれた頃のような懐かしさを感じました。
是非とも映像で見て、神秘的な世界観を楽しんでもらいたいですね。
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