「この世界の片隅に」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

アニメ映画

「この世界の片隅に」のあらすじ

広島市で生まれ育ったすずは、18歳のある日突然呉市の周作に嫁ぐことになります。

慣れない地で周作の家族や周囲の人々と暮らす中で、戦争が生活に与える影響がだんだんと大きくなっていきます。

 
食料が乏しく空襲の危険に晒される毎日を、持ち前ののんびりして明るい性格で、工夫して乗り越えていきます。

しかし空襲や原子爆弾によって、すずの大切なものは次々と失われていくことになりますが、そんな中で戦時中の世の中をひたむきに生きた人々の物語です。

主な出演者

監督:片渕須直 声優:のん(北條すず / 浦野すず)、細谷佳正(北條周作)、稲葉菜月(黒村晴美)、尾身美詞(黒村径子)、小野大輔(水原哲)ほか

広島で生まれ育ったのんびり屋のすず

広島市で両親と兄、妹と暮らしていた浦野すずは、のんびりした性格で絵を描くことが好きな少女です。

周囲の人からは、ボーっとしていると言われ、特に厳格な兄の要一からはよく叱られていました。

風邪を引いた兄に代わっておつかいに行ったすずは、道に迷っていたときに出会った人攫いの男に連れ去られそうになります。

すずがそこで機転を利かせ、共に攫われそうだった少年と無事に逃げて、家へ帰ることができました。

 

月日は流れ、18歳になったすずを嫁にしたいと、呉市から北條周作という青年が突然訪ねてきます。

周作のことをよく知らないまま遠くに嫁ぐことになって戸惑うすずでしたが、優しい周作の家族や近所の人々と仲良くなっていき、穏やかに過ごします。

 

そんな中、嫁に行った周作の姉・黒村径子が娘の晴美を連れて帰ってきます。

学校を出た後は仕事を見つけて働きに出ていたこともあり、家でもテキパキと家事をこなす径子は、おっとりしたすずを疎ましそうにする一方で、晴美はすずと仲良くなっていきます。

戦時下で変わる日常、同級生との再会

径子と晴美が嫁ぎ先へ帰り、すずが食事の支度をするようになった頃には、配給される食料は随分減っていました。

すずは近所の人に教わった料理を実践して、配給が少ない中でも工夫して家族の食事を作ります。

 

一方で、敵国からの空襲の脅威がすずたちの元にも迫ってきます。

径子たちも建物疎開により、嫁ぎ先の家族が下関へ行くことになったのを機に離縁して、また北條家へ戻ってきました。

 

ある日、すずは小学校時代の同級生の水原哲と再会します。

軍艦青葉の乗組員となっていた水原は、その晩の自由時間に入る風呂と泊まる宿を求めて、すずを頼ることにしたのです。

水原に思いを寄せていたすずは、周作の元に嫁いでからもその気持ちは消えていませんでしたが、周作の計らいで部屋に二人きりになった際、周作に対する自分の気持ちの大きさに気づきます。

水原は無理に嫁がされて困っているのではないか、とすずを心配しますが、すずがそれを否定しました。

そして水原は一人帰っていくのでした。

戦争で大切なものを失っていくすず

軍人として戦争に行っていたすずの兄、要一が亡くなりました。

呉でも空襲警報が頻繁に鳴るようになり、警報の度に家族で防空壕に避難する日々が続きます。

周作の父は空襲を受けた日からしばらく家に帰らず行方も解からなくなり、周作は軍人として訓練を受けることになったため、北條家をしばらく離れます。

 

女性だけになった北條家に、周作の父が空襲で怪我を負い入院している、と知らせが来ます。

晴美と一緒にお見舞いに行ったすずは、その帰りに空襲にあってしまいました。

近くにある防空壕に入れてもらい爆撃を受けずに済みましたが、その帰りに不発弾に当たって晴美は命を落とします。

すずも晴美と繋いでいた右手を失い、径子からも責められて酷く落ち込みます。

 

妹のすみが訪ねてきたとき、空襲が多い呉で家の仕事もできず、北條家に居づらいすずを心配して広島へ戻らないかと提案します。

その矢先、広島に原子爆弾が投下されたことと、その被害が酷かったであろうことを知ります。

戦争が終わった世界で強く生きていくことに

一度は広島に帰ると言い出したすずですが、北條家に居続けることを決めました。

長く続いた戦争も終わりを告げ、敗戦に怒りを顕わにするすずと晴美を思って径子は隠れて泣きます。

空襲警報がなくなり、占領軍の人々の残飯やチョコレートをもらうようになった日々の中で、すずは晴美を笑って思い出す「笑顔の器」でいよう、と決意します。

 

翌年の一月、すずは実家を訪れます。

妹のすみに会って話している間に、すずの母は原爆が落ちた日に街へ出かけたきり消息が解からず、父も十月に倒れて亡くなったことを知らされました。

帰り道、周作と会ったすずは「ずっとそばにいてほしい」と話し、またすずの家族のためにも広島で所帯を持とうかと周作に言われたものの、呉は自分が選んだ場所だからと断ります。

 

そこですずと周作は、一人の幼い女の子と出会います。

原爆で亡くしたその子の母は右手を失っており、同じく右手のないすずを母親だと思ったようでした。

二人は呉に女の子を連れ帰り、育てることにしました。

映画ライターなかむの一言

戦時中~戦後の広島が舞台の映画でしたが、空襲や原爆の悲惨なシーンもあったものの、多くはすずと彼女を取り巻く人々の日常が描かれていました。

優しいタッチの絵も相まって、平凡な人達の普通の日常の中に戦争があったのだと感じさせられます。

のんびり穏やかに、そして逞しくひたむきに毎日を生きるすずの姿には思わず涙が流れ、感動してしまいました。

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