「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のあらすじ
俳優としてデビューするもなかなか売れないリックと、付き人でありながらスタントマンもこなすクリフは、固い絆で結ばれていました。
しかしリックの家の隣に、映画監督として有名なロマン・ポラスキーと女優のシャロン・テーとが引っ越してきたことにより、2人の人生は大きく変わろうとしていました。
60年代をハリウッドで過ごしたタランティーノ監督による、5年の歳月をかけて完成した今回の作品は、実際に起こった事件と架空の人物が混ざり合う、今までにない作品となっています。
主な出演者
監督:クエンティン・タランティーノ 出演:レオナルド・ディカプリオ(リック・ダルトン)、ブラッド・ピット(クリフ・ブース)、マーゴット・ロビー(シャロン・テート)、アル・パチーノ(マーヴィン・シュワルツ)、エミール・ハーシュ、マーガレット・クアリー、ティモシー・オリファント、オースティン・バトラー、ダコタ・ファニング、ブルース・ダーンほか
人気が落ちていく俳優リックと、若手で人気の美しい夫婦
リック・ダルトンは、西部劇「賞金稼ぎの掟」で名を馳せ、中堅俳優として人気を集めていました。
しかし現在はドラマの悪役やゲスト出演などの単発の仕事しか回ってこなくなり、落ち目の俳優となっていました。
スタントマンとして、そしてリックの付き人でもあるクリフ・ブースは、リックの長年の親友でもありました。
そんなある日、リックは映画プロデューサーのシュワーズに出会い、彼からイタリアの西部劇に出演してくれないか、とオファーがきます。
しかし役の内容が気に入らず、これ以上は都落ちしたくないリックは、その誘いを受けるのを渋ります。
クリフは「悪い話ではない」と、リックを諭すのでした。
リックはシエロ・ドライブという、ハリウッドでは高級住宅街と呼ばれる場所に自宅を構えていました。
そのリックの自宅の隣に、若い新婚夫婦が引っ越ししてきたのです。
夫は売れっ子の監督ロマン・ポラスキー、その妻で若手女優のシャロン・テートは、たくさんの友人を呼びパーティー三昧の日々を過ごしていました。
その様子を見たリックには、とてもまぶしく映るのでした。
一方のクリフは、貧しいトレーラー生活を送っていました。
仕事を探していたクリフはスタントマンとして何とか仕事を得るも、撮影現場で出演者のブルース・リーに絡まれ、リーを投げ飛ばしてしまいます。
せっかくランディから仕事を得たクリフでしたが、リーを投げ飛ばした際にランディの妻・ジャネットの車を凹ませてしまい、この一件でクリフは解雇されてしまうのでした。
本番でセリフを忘れるリックと、懐かしのスパーン牧場を訪れるクリフ
西部劇「対決ランサー牧場」の悪役として起用されたリックは、セリフも完璧に暗記して準備万端でした。
しかし前日に酒を飲み過ぎてしまったせいか、本番中にセリフを忘れてしまいます。
そして感情的になり、物に当たってしまいます。
次の日リックは、映画の撮影現場で少女・トルーディを誘拐するシーンを撮影していました。
前日とは売って変わり、一発でセリフを決めたリックは、監督や共演者から今まで見た中で一番良い演技だったと絶賛されます。
その言葉に涙ぐみ、リックは感動します。
その頃、クリフはリックの撮影が終わるまで町をドライブしていました。
すると以前見かけた、ヒッチハイカーをしているヒッピー少女、プッシーキャットと再会します。
そして彼女が仲間と暮らしているという、スパーン牧場まで彼女を送り届けてあげることにしました。
スパーン牧場は、クリフにとっても馴染み深い撮影場所の一つでもありました。
古い友人、ジョージ・スパンが所有していた土地だったからです。
ジョージに一言挨拶をしようと、ジョージの家の中に入ろうとするクリフでしたが、プッシーキャットに嫌な顔をされてしまいます。
イタリアでの成功、結婚しクリフとの別れを決めるリック
半ば強引にジョージの家を訪れるクリフでした。
しかし家に入って寝ているジョージを起こすと、目の不自由なジョージはクリフのことを覚えていませんでした。
ジョージがヒッピー達に利用されていないか心配したクリフでしたが、ジョージに「帰れ」と言われて仕方なくその場に後にするのでした。
リックはシュワーズから新たなオファーを受け、イタリアの西部劇に出演することになります。
クリフと共にイタリアのローマに渡った2人は、イタリアでの新生活をスタートします。
リックはセルジオ・コルプッチの映画を始め、様々な映画で成功を収め、プライベートでもイタリア人女性スカーレットと結婚するなど、充実した日々を過ごしていました。
イタリアでの生活が六ヶ月を過ぎようとしたとき、リックはアメリカへの帰国を決断します。
リックはスカーレットとの生活があるため、クリフを雇い続けることが難しいことを告げます。
2人は長きにわたるバディ生活に、終止符を打とうとしていました。
一方で妊娠八ヶ月になったシャロンは、友人達と談笑をしながら楽しんでいました。
すると夜中になってやってきたヒッピー達の車が、ポランスキー家の前で止まります。
クリフとの最後の別れとして酒を飲んでいたリックは泥酔状態でしたが、ヒッピー達の元にいき「迷惑だから帰れ」と怒鳴ります。
一度は引き返したヒッピー達でしたが、ポランスキー家を殺害する前にリックも殺害しようと計画を変更するのでした。
惨劇から集結、真相が明らかに
リックの家へと侵入したヒッピー達は、最初にみつけたクリフを殺そうと襲いかかります。
しかしクリフの犬が、ヒッピーの一人に噛みつきます。
クリフは懸命に戦うも、セイディという女に腰を刺されてしまいます。
狂ったセイディはガラスに突進し、そのままプールに落ちてしまいました。
そのまま宙に向かって発砲を繰り返し、大きな音が鳴り響きました。
マルガリータを飲みながら、ヘッドホンで音楽を聴きながらくつろいでいたリックがようやく異変に気付き、急いで倉庫へと向かうのでした。
リックは、以前に撮影で使用していた火炎放射器を取り出し、セイディを焼き殺してしまいます。
事件を聞きつけた警察が到着し、リックとクリフは事情聴取を受けます。
クリフは腰をナイフで刺されたため、そのまま病院へと運ばれていきました。
リックはクリフに必ず病院に見舞いに行くと約束し、クリフを見送るのでした。
するとそこへジェイがやってきて事情を訪ねます。
ヒッピー達がやってきて、自分達を殺そうとした経緯を説明します。
インターホンがなり、リック達を心配したシャロンがやってきてくれました。
リックはそのままポランスキー邸に招かれ、シャロンとその友人達に温かく迎え入れられたのでした。
映画ライターMRMの一言
売れない俳優リックが、イタリアのローマでの半年間を過ごし有名な俳優へと成功を収め、最後はイタリア人女性と結婚するという展開に驚きました。
相棒のクリフも最後は殺されそうになりますが、危機一髪のところで助けられるという、ハラハラドキドキの展開に最後まで釘付けになりました。
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