「ヘルタースケルター」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

ヒューマンドラマ

「ヘルタースケルター」のあらすじ

大人気モデルとして活躍するりりこですが、誰もが羨む美貌は全身整形で得たものでした。

秘密を隠して仕事に打ち込み、女性がなりたい顔ナンバーワンとの呼び声も高いりりこ。

しかし整形の後遺症に苦しみながら、ハードなスケジュールをこなす日々で次第に追い込まれていき、恋人の裏切りや生まれつき美人な後輩の登場で、心がどんどん病んでいきます。

異常なまでに美しさに執着するりりこを待っていたのは、衝撃的な結末でした。

主な出演者

監督:蜷川実花 出演者:沢尻エリカ(りりこ)、水原希子(吉川こずえ)、寺島しのぶ(羽田美知子)、綾野剛(奥村伸一)、大森南朋(麻田誠)ほか

圧倒的な美貌を誇るりりこの秘密

美しい顔と抜群のスタイルを持ち、数々の雑誌で表紙を飾るなど世間の女性の憧れの的となっているのが、モデルのりりこです。

初主演映画の会見では笑顔を絶やさず、共演者の女優と仲が良いアピールをしますが、新聞に自分と女優とのツーショットが載っているのを見て怒り心頭です。

実際のりりこは、マネージャーの羽田を我が儘で振り回し、理不尽に怒るなど傲慢な振る舞いを見せていました。

 

一方、そんなりりこの写真を眺めながら、一見完璧だがバランスがおかしく崩れていると話すのは検事の麻田でした。

彼は脱税や政治家への贈収賄、臓器売買といった疑いがかかっている美容クリニックを追っていました。

 

映画のプロデューサーである浜口との枕営業から帰ったりりこは、鏡に映る自分の顔や体をうっとりと眺めます。

しかし途中、額に黒いアザがあることに気づいてしまい取り乱します。

所属事務所の社長・寛子は、りりこのヘアメイクを担当する沢鍋に、りりこの美貌が全身整形してできた作り物であることを打ち明け、アザはそのときの後遺症だと話しました。

心身共に疲弊していくりりこと妹の存在

りりこは寛子に付き添われて美容クリニックを訪れます。

額のアザは手術をすれば大丈夫だと院長の和智に言われ、寛子は安心しますが仕事を休まなければならないことにりりこは不安になりました。

そのときクリニックにやって来た女性が暴れているのを、りりこが見かけます。

女性の顔には黒いアザがいくつもありました。

 

相変わらず雑誌やCM、ドラマに引っ張りだこのりりこは、多忙を極める日々の中、沢鍋に疲れすぎて眠れない、カメラのシャッターを押される度に空っぽになっていく気がするとボヤきます。

撮影中も疲れから心ここにあらずになりかけながら、無理やり笑顔を作ってカメラの前に立っていました。

仕事を終えてりりこを家に送り届けた羽田は、みんながりりこに夢中だと言いますが、顔に新しくアザを見つけたりりこは「キレイじゃなくなったらみんな自分から離れていく」と泣いて怒りだします。

 

修学旅行で東京に来た、というりりこの妹・千加子が寛子を訪ねます。

姉に会いたいという千加子を寛子は止めますが、りりこの住所をこっそり書き写して出した手紙がりりこの元へ届きました。

嫉妬でエスカレートするりりこの奇行

りりこは羽田に頼み、妹の千加子に会いに行きます。

地味な容姿の千加子に、キレイになれば強くなれると、りりこはダイエットや整形を勧めます。

千加子はりりこが強いからキレイになれたのだと言いますが、りりこは否定しました。

 

ある日、事務所が新人モデルのこずえを迎え入れ、りりこと一緒に仕事をさせ始めました。

生まれながらに美しく、単独での仕事もどんどん舞い込んで人気を集めるこずえへの嫉妬に苦しみ、更に恋人の南部が他の女性と婚約したことを知ったりりこの精神は、どんどん不安定になります。

羽田とその恋人である伸一に南部の婚約者を襲撃させ、本当は夢があったが生まれた家のせいで叶えられなかったという御曹司の南部に、人生は自分の手で決めるものだと話します。

 

麻田はりりこをタイガーリリーと呼んで近づき、和智のクリニックについての証言を依頼しました。

クリニックに関する資料を麻田から受け取り、中に入っていた整形前の自分の写真を見たりりこは動揺します。

りりこは羽田にこずえを襲撃するよう指示しますが、全く恐れないこずえを見て羽田は断念しました。

その頃、りりこは幻覚に苦しみ仕事中に暴れてしまいます。

全て暴かれたトップモデルの行く末

不安に駆られてすっかり正気を失ったりりこが飛び出していった部屋で、羽田がクリニックの資料を見つけ、これをマスコミにリークしました。

クリニックの実情が暴かれただけでなく、りりこの整形の事実も明らかになってしまいます。

 

麻田はデータが外部に漏れたことを上司に咎められますが、こうなることも彼の思惑通りでした。

世間から好奇の目で見られるようになったりりこは記者会見を開くことになります。

顔にも体にも目立つアザを沢鍋のメイクで隠してもらって会見に臨み、りりこは弁護士が用意した台本を無視して、記者たちの前で自分の片目にナイフを刺します。

 

数年後、街を歩く麻田に派手な出で立ちの女性が声を掛け名刺を渡します。

その女性は痩せてキレイになった千加子でした。

麻田は彼女を小さなタイガーリリーと呼び、この町は小さなタイガーリリーでいっぱいだと言います。

 

モデルとして活躍を続けるこずえは仕事で海外に行った際、沢鍋に誘われて「ヤバいショーを見せるクラブ」を訪れます。

そこには眼帯をつけて見世物として働くりりこがいて、こずえに向かいニヤリと笑みを浮かべました。

映画ライターなかむの一言

整形で手に入れた美しさとトップモデルの座に執着するりりこと、元々美しい容姿を持ち自分の美や地位への執着を見せないこずえが、悲しいほど対照的でした。

秘密を知られて表舞台から姿を消したりりこのその後は、彼女にとって幸せなものだったのか、と考えてしまいます。

映画を彩る華やかで鮮烈な色彩にも圧倒されました。

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