「リリーのすべて」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

ヒューマンドラマ

「リリーのすべて」のあらすじ

結婚した後に夫が性同一性障害であったと発覚した夫婦のお話です。

画家のアイナーは同じく画家である妻ゲイルと共に、幸せな毎日を暮らしていました。

しかしゲイルの絵は中々売れず、スランプに陥っていました。

ある日予約をしていたモデルが来ないことから、ゲイルは夫のアイナーにモデルの代わりを頼みます。

優しいアイナーは妻の頼みを聞き、タイツをはきポーズをとりました。

その時から、アイナーの中である変化が起き始めます。

そしてある晩アイナーは、女性ものの寝間着を着けてゲイルの前に立つのでした。

リリーのすべての主な出演者

監督: トム・フーパー 出演: エディ・レッドメイン(アイナー・ヴェイナー/リリー・エルベ)、アリシア・ヴィキャンデル(ゲルダ・ヴェイナー)、マティアス・スーナールツ(ハンス・アクスギル)、ベン・ウィショー(ヘンリク・サンダール)、ウラ(アンバー・ハード)

初めての女装から変容するアイナーの精神

1926年コペンハーゲン、デンマークの風景画家として売れっ子のアイナーは、同じ画家である妻ゲルダと共に、おしどり夫婦として幸せな毎日を送っていました。

ゲルダは風景画ではなく肖像画を専門にしており、夫のように有名な画家ではないのですが、夫の仕事を支えながらも自らの制作を行っていました。

 

世間から受ける絵の評価は違うものの、お互いに認め合って寄り添う二人の姿が描かれています。

そんな折、ゲルダが予約していた絵のモデルからキャンセルが入り、夫のアイナーに急遽モデルの変わりを頼む事になります。

女性もののタイツを穿き、女性もののドレスを持ってポーズをとってくれるアイナー、優しい夫を持てた幸せを感じるゲルダでしたが、その時にアイナーの中ではある感情の変化が起こり始めていました。

 

そしてある日、アイナーは女性用の寝間着を着たままゲルダの前に立ちます。

いつもの寝間着の下から女性もののゲルダの寝間着を纏うアイナーを見て、ゲルダはその姿を受け入れ、その夫の姿を描くために筆を取るのでした。

女性の二人組として舞踏会に参加したアイナーとゲルダ

ある日ゲルダは、舞踏会に誘われました。

ゲルダは女装をすることが好きなアイナーのために女装をして、一緒に参加しないかと誘いかけます。

アイナーに女性ものの衣装を着けて化粧を施すゲルダは、名前もアイナーの従妹という設定で女性名、リリー・エルベという名前を作りました。

 

そしていよいよ始まった舞踏会、線の細い男性だったアイナーは男性とは気づかれることなく、舞踏会を楽しみます。

その中でサンダールという男性に声を掛けられ、キスをされてしまいます。

 

アイナーは混乱して鼻血を出してしまいますが、慌てて助けに来たゲルダに連れられて、二人は何とか無事に帰宅することができました。

しかしゲルダにとっては、夫が簡単に他の人にキスされたことが面白くなく、喧嘩になってしまいます。

 

女装をもうやめるように言われてアイナーは落ち込み、それからは隠れて女装を楽しむようになりました。

一方のゲルダは、アイナーが女性化した姿を描いた絵が、ある画商に評価され、このままこの絵を描いていく事を決意していました。

女装を続けるアイナーとゲイルの画家としての成功

アイナーは女装する事をやめられずに、何度もリリーとなって外出を繰り返していました。

特に最初にキスをした男性サンダースの元へは何度か通っていましたが、ある日サンダースにリリーの正体がアイナーだとバレていた事を知ってしまいます。

 

ショックを受けて帰宅するリリー、帰宅先にいたゲルダはまた女装していた夫の姿を見て驚きました。

ゲルダがリリーに詰め寄ると、アイナーはサンダースの他にも男性に合っていたと打ち明けます。

愛しているのはゲルダだけだとも言いました。

 

ゲルダは慌てて病院へ行き、アイナーの検査を依頼しました。

結果として「性的倒錯」と診断されます。

同時に治療法がない、という事も説明されました。

ゲルダは個展を開くために招かれていたパリへ、アイナーも一緒に連れていきます。

 

アイナーはまだショックから抜け出せず、ゲルダは元気付ける為にアイナーの馴染みのハンスを頼りました。

ハンスは子供の頃、アイナーと初めてキスをした男性でした。

ハンスが家に招かれた時、アイナーは女装をして彼を出迎えました。

 

しかし彼の精神は安定しておらず、泣き出して立ち去ってしまいます。

その後ハンスはゲルダを口説くのですが、ゲルダはまだアイナーを愛していると、その申し出を断りました。

打ちひしがれるゲルダを見て、アイナーは男性に戻る事を決心します。

世界初の性別適合手術、アイナーとゲルダの愛情

男性に戻ることを決心したアイナーですが、完全に元の姿に戻ることはできませんでした。

男かも女かもわからない自分に向けられる嘲笑、その中でもゲルダの平穏を取り戻す為に何度も医者にかかりました。

そんなある日、一人の医者が女性になる手術を受けないか、と持ち掛けてきました。

 

当時は、まだ誰も行ったことが無い手術でゲルダは猛反対しましたが、アイナーはその提案に乗りました。

女性になる決心をしたアイナー、ゲルダはそれでもアイナーを愛し、手術先であるドレスデンにも着いていこうとしますが、アイナーは断りそこで二人は別れることになります。

 

そして一度目の手術を受けたアイナーの元を、ゲルダが訪ねてきます。

抗生物質を飲み女性に近づきつつアイナーは、きちんとした女性になりたいと、ゲルダに打ち明けました。

二度目の手術にはゲルダも着いていきましたが、手術の後にアイナーは次第に衰弱していきました。

 

病院へ駆けつけたハンスと、三人は並んで外の散歩へ出かけます。

そしてアイナーはゲルダとハンスに見守られながら、穏やかに息を引き取っていきました。

後日、アイナーが好んで描いていた風景を見に、デンマークへ訪れたゲルダとハンクですが、ハンクは初めてアイナーにキスをしてしまった時のことを思い出すのでした。

映画ライターhatiの一言

この作品は、実際に初めて性別適合手術を受けた男性の話をモチーフに作られています。

ストーリーはオリジナルであるものの、実際に自らの性別に悩み、そして手術を受ける決心をした初の女性として、映画の中のアイナーも描かれました。

ゲルダの深い愛情とアイナーの精神の変化、複雑に交差する感情の中で、最後まで一緒にいる事を選択した夫婦の悲しさと純真さが際立つ作品です。

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