「蟹工船」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

サスペンス映画

「蟹工船」のあらすじ

蟹工船で朝も夜もなく働かされる労働者たちがいました。

一日の労働時間は16時間にも及び、休憩時間もまともに与えられません。

劣悪な環境の中、一人二人と逃げ出す者も多くいました。

しかしそのたびに監督に締め出され、拷問されるのでした。

そんなある日2人の労働者が船から逃げ出し、運よくロシア船に助けられます。

そこで彼らが見た光景とは、現代社会でも通用するような最後まで目を離せない問題作です。

主な出演者

監督:SABU 出演:松田龍平(漁夫・新庄)、西島秀俊(浅川監督)、高良健吾(雑夫・根本)、新井浩文(漁夫・塩田)、柄本時生(雑夫・清水)、木下隆行(雑夫・久米)、木本武宏(雑夫・八木)、三浦誠己(雑夫・小堀)、竹財輝之助(雑夫・畑中)、利重剛(漁夫・石場)、清水優(漁夫・木田)、滝藤賢一(雑夫・河津)、大杉漣(清水の父親)、ほか

蟹工船で死に物狂いで働く労働者たち

カムチャッカ沖に一隻の蟹工船が止まっていました。

この船は獲ったカニを船の中で加工し、その場で缶詰にしてしまうという博光船でした。

通常は蟹を獲ったら沖まで運び、現地で蟹を加工するのですが、加工するまでに腐ってしまうことから船の中で加工することになったのです。

この蟹工船に乗っている人たちは借金をしていたり、働き手がなくて困っている人々でした。

 

しかしこの船での労働環境は最悪なものでした。

一日の労働時間は16時間、休憩も少なく休みの日はありません。

例え体調が悪くても、休むことは許されませんでした。

もし監督に歯向かえば、酷い拷問をされるからです。

 

儲ける側はぼろ儲け状態、一方の労働者は命を削ってまで働かなければならない環境にいました。

あまりに酷い環境に、労働者たちは休憩中に「皆で自殺しよう」と話し合います。

しかしいざ死のうとすると怖くなり、誰一人として自殺することができませんでした。

労働者は死ぬことすらできず、生きたまま地獄のような日々を送っています。

塩田と新庄が船を飛び出し、ロシア船に助けられる

風呂にも入れず、休憩時間もろくに与えられない最悪の環境が続きました。

この環境に耐えられなくなった労働者の一人宮口が、とうとう脱走してしまいます。

監督である浅川は、労働者の中に宮口をかくまっているものがいないか、と疑います。

 

そして犯人探しが始まりました。

労働者たちは、自分は違うと喧嘩を始めてしまう有様です。

その後、殻捨て場に隠れていた宮口が姿を現しました。

起こった浅川は、罰として宮口をトイレに閉じ込めます。

 

労働者の一人が倒れても容赦しない浅川に、誰も何も言えませんでした。

生きながらの地獄を味わうしかありません。

そして耐え切れなくなった新庄と塩田は、小さな船に乗って蟹工船を飛び出します。

極寒の冬の海に逃げ出し、凍え死にそうになりながら、運よくロシア軍の船に助けられました。

そこには、自分たちが今まで見たことのない世界が広がっていました。

 

ダンスを踊り、美味しい料理がたくさん並ぶ船内で楽しむ人々の様子に、塩田と新庄は驚きを隠せません。

そこで出逢った中国人から、「今の環境に不満があるのなら、一人一人が立ち上がって訴える必要がある」と教えられるのでした。

宮口の自殺、ロシア船で見た出来事を他の労働者に伝える新庄

その頃、逃げ出した罰としてトイレに監禁されていた宮口が、首を吊って自殺してしまいました。

その姿を見た他の労働者の一人である若い男も船から飛び出し、自殺をしようとするのですが、そこへロシア船から塩田と新庄が帰ってきました。

間一髪のところで、自殺を食い止めます。

 

新庄たちは自分たちがロシア戦で見た出来事、そしてそこで出逢った中国人に言われたことを、他の労働者たちに話します。

自分たちが蟹を獲って缶詰にすることで雇う側は金持ちになるが、自分たち労働者がいなければ金を稼ぐことはできない、と語りかけます。

新庄の話しに、皆が耳を傾けます。

 

皆で労働者はいつまでも雇い主である浅川の言う通りにして動くのではなく、自分がこれからどうなりたいのか、一人一人の意思で変わることが大切だと話します。

それを聞いた労働者たちは、皆で新庄の話しに賛成するのでした。

これからどうなりたいか、このままの生活を続けていきたいのか、お金は稼ぎたいけど今後の生活を見直す者も出てきました。

リーダー新庄が浅川に要求するも銃殺されてしまう

労働者たちは新庄の言葉に動かされ、自分たちの未来を変えようと奮起します。

そして遂に浅川に対し、ストライキを起こします。

新庄は、浅川にこれからの労働に対して示した要求書と、誓約書を突きつけました。

 

しかし浅川は新庄たちの要求を受け入れず、抵抗します。

新庄は抵抗した浅川を殴りつけてしまいました。

すると激怒した浅川に銃殺され、新庄は帰らぬ人となってしまったのです。

 

新庄を殺した浅川は「蟹工船の仕事は、国家的な仕事だ」と言い、再び劣悪な環境で仕事を強いようとします。

しかし新庄の熱い想いを引き継いだ労働者たちは、再び浅川の前に立ち上がります。

今までは浅川の前に何も言えなかった彼らでしたが、労働者一人一人が立ち上がらないと何も変わらないことに気づいたのでした。

 

リーダーを失った労働者たちは、新庄の血が染み込んだ団結の旗を掲げていきます。

最後の最後は未来への希望を暗示するかのように、まるで大きな歯車が外れたかのような形で、終わりを迎えます。

映画ライターMRMの一言

労働者がいなければ資本家は何もできないですが、労働者一人一人が雇い主に対して真剣に求めていかないと何も変わらない、という事実を暗示させる作品でした。

生きながらの地獄と言えるほど過酷な状況の中で働かなければならなかった労働者たちは、新庄というリーダーを失ってからも立ち上がる勇気を得られたのは素晴らしいと思います。

リーダーに頼り切るのではなく、自分たちも一人の人間としてしっかり意見を言えるようにならないといけない、ということを示しているような気がしました。

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