「劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート) 負荷領域のデジャヴ」のあらすじ
2009年にXbox向けに発売されたゲームが原作になり、2011年にアニメ化されて絶大な人気を博したSF作品の劇場版です。
劇場版では完全オリジナル脚本の下、テレビアニメ版エンディングから1年後にラボメンたちを襲った事件について描かれています。
主な出演者
監督:若林漢二 声優:宮野真守(岡部倫太郎)、花澤香菜(椎名まゆり)、関智一(橋田至)、今井麻美(牧瀬紅莉栖)、後藤沙緒里(桐生萌郁)、小林ゆう(漆原るか)、桃井はるこ(フェイリス・ニャンニャン)、田村ゆかり(阿万音鈴羽)ほか
久しぶりの再会とよぎる光景
椎名まゆりと牧瀬紅莉栖の2人が命を失わずに済むシュタインズゲートの世界線を、主人公である岡部倫太郎が見出してから、丸1年が過ぎようとしていました。
岡部が主催する研究サークルのハッカーでもある橋田至にも阿万音由季という彼女ができ、ラボメン一同は平穏な日常を送っていました。
海外の大学から紅莉栖が帰ってくるというので、まゆりは同じラボメンの1人である漆原るかと一緒に、空港まで迎えに行くことになりました。
研究室では、同じくラボメンである桐生萌郁と秋原留未穂たちも訪れていて、みんなでお祝いのバーベキューパーティーを企画していました。
久しぶりに紅莉栖が帰ってきてラボメン一同で盛り上がる中、岡部の頭にはある光景がよぎります。
それはまゆりを助けられなかった世界で、彼女が電車にはねられる瞬間のものだったのです。
不吉な予感がする中で
まゆりが電車にはねられる瞬間の光景がよぎったことで戸惑う岡部でしたが、しばらく休んで気を取り戻すことができた様子でした。
体調も戻った岡部は、紅莉栖が欲しがっていたスプーンとフォークのセットをプレゼントします。
その瞬間、またしても別の世界戦での悲惨な出来事の記憶が岡部を襲い始めました。
錯乱状態の岡部は、運悪くも部屋へ入ってきた天王寺裕吾に対し、刃物を振り回してしまいます。
どうにか再び正気を取り戻した岡部でしたが、もう気が気ではありません。
一方で由季の娘であり、未来からやってきた阿万音鈴羽は、紅莉栖のホテルに侵入します。
彼女は「携帯電話、電子レンジ、SERN」という3つの言葉を忘れないように言い置き、正体も告げずにそのまま去っていきました。
次の日、紅莉栖はコインランドリーで岡部と遭遇します。
岡部の白衣が破れていることに気づいた紅莉栖は、その白衣を縫ってあげます。
その最中、彼女は岡部へ別の世界戦の記憶を保持する能力である「リーディング・シュタイナー」についての話をしますが、まだ話が終わっていないところで岡部の姿が消えてしまいました。
岡部を忘れる者たち、思い出そうとする者
岡部の姿が消えてから、紅莉栖は戻ってラボメンのみんなへ「この研究者の設立者は誰か」と問います。
しかし、誰一人岡部のことを覚えておらず、それは紅莉栖自身も覚えてはいませんでした。
どうしても違和感を拭えなかった紅莉栖は、鈴羽にもらったメモを頼りに、おぼろげな記憶を辿っていきます。
そして、とうとう橋田と一緒にタイムリープマシンを作りあげることに成功しました。
紅莉栖はそのマシンを使って、バーベキューパーティーの時へと戻ります。
ようやく岡部の姿を確認できた紅莉栖でしたが、岡部が記憶を呼び起こしている最中のみ、彼の姿が消えるのでした。
自分だけかと思う紅莉栖でしたが、周りの人間も彼が消えた時には「元々いなかったかのように」振舞うのでした。
鈴羽は紅莉栖を呼び出し、岡部がリーディング・シュタイナーを使いすぎたために不安定な世界観を漂っているのだと告げます。
鈴羽は、その原因を改善するために過去に向かおうとします。
しかし、歴史改変の恐ろしさを身をもって知っている岡部は、それを強く制止します。
岡部は自分が消えることすらも受け入れるつもりだったのです。
紅莉栖は戸惑いながらも、岡部の言うことを守り、過去に向かうことを思い留まります。
その時、岡部は「さよなら」と書かれたメールを最後に姿を消してしまうのでした。
彼を戻すための紅莉栖の戦い
みんなが岡部のことを忘れてしまっている中で、唯一タイムリープをしてきた紅莉栖だけはその記憶を留めていました。
過去に戻ることを未だ躊躇している紅莉栖でしたが、鈴羽は未来でも紅莉栖はそのことでずっと苦しみ続けると伝えます。
それを聞いた紅莉栖は、ようやく過去へ戻る決心をしたのでした。
鈴羽の話では、起こった事実を変えてしまうと過去改変が起こってしまうため、過去の岡部の記憶のみを変えるべきだと話します。
2005年に戻った紅莉栖は、少年時代の岡部に早速接触を試みます。
しかしその時、偶然にも岡部が目の前でトラックにはねられるところを目撃してしまいます。
過去改変になることの苦しみを実感した紅莉栖は諦めかけてしまいますが、その一件から元の時代へ戻ると、ラボメンのみんなは岡部に対する記憶が蘇りつつあることに気づきます。
やっていることは無駄ではないと気づいた紅莉栖は、もう一度過去へ戻ることを決めます。
2005年に戻った当日、その日はまゆりが祖母を亡くしてしまった日でもありました。
まゆりを元気づけるためにはどうしたら良いのかと悩む少年時代の岡部に、紅莉栖は岡部が作りだした架空の人格である「狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真」という人物の話を聞かせます。
そして岡部に紅莉栖はキスをします。
このことで岡部は、無事にシュタインズ・ゲート世界戦へと戻ることに成功したのでした。
映画ライターカネキケンの一言
この世界観のように過去に戻って人を助けることができたら、どんなに平和な世界になるだろうと観ていて思いました。
だけど岡部のように「助けられなかった世界」も見えてしまうことになると、精神的にもきついものがあるよな、と思ってしまいます。
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