「秒速5センチメートル」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

ヒューマンドラマ

「秒速5センチメートル」のあらすじ

高い評価だった前作「雲のむこう、約束の場所」の公開から、2年ぶりの新海誠製作映画です。

誰もが経験する日々を切り取った、大変切なくて美しいラブストーリーです。

主な出演者

声優:水橋研二(遠野貴樹)、近藤好美(篠原明里(第1話「桜花抄」))、花村怜美(澄田花苗(第2話「コスモナウト」))、尾上綾華(篠原明里(第3話「秒速5センチメートル」))ほか

中学生の初体険

桜の花びらが秒速5センチメートルで落ちる、という話をしていた明里は、小学校の卒業に合わせて東京から栃木の方へ引っ越してしまいました。

彼女とずっと文通をしていた貴樹も、両親の都合で中学一年の三学期に鹿児島へ転校する事が決まっていました。

 

栃木への行き来が遠いと感じていた二人は、いざという時に電車ではいけなくなる距離に離れてしまうと実感していました。

貴樹はすぐに明里の最寄りの駅を路線図で調べて、駅の待合室で会う約束をしました。

その日は昼過ぎから、ずっと雪が降っていました。

二人は共に病気がちという点で精神的に似ていると感じていて、ずっと一緒にいられると思っていました。

 

電車の中で、貴樹は明里の転校が決まったとき、かかって来た電話で一緒の中学校へ行けないことを心から謝る明里に対して、「もういいよ」と繰り返して話したことを思い出していました。

大宮行きの電車が雪のために遅れて、その先の電車も送れて不安になり始めていた貴樹は、明里から電話が来た日に、とても優しい言葉をかけられなかったことを悔やんでいました。

初めてのキス

それから、彼女から手紙が来たのは半年後でした。

やがて雪の中で電車は止まって、約束の時間は過ぎていました。

貴樹は明里が家に帰っている事を願っていたのですが、11時を回った駅舎で待っていた彼女は、彼の姿を見るとすぐに泣き始めました。

二人で明里が作ってきた特製のお弁当を食べていると、駅舎を閉められてしまいます。

 

外へ出た二人は、桜の花びらのように雪が降る中で熱いキスをしました。

貴樹は、13年間をお互いに分かち合っていました。

しかし、この先も一緒にいる事はできないのだと思うと、悲しくなりました。

二人は畑の納屋で、ひとつの毛布にくるまって一晩中楽しい話をして過ごし、いつの間にか眠りに落ちました。

 

貴樹は朝、電車に乗って帰っていきました。

貴樹は明里へ手紙を書いていたのですが渡す事ができず、明里も手紙を書いていたのですが、やはり渡すことができなかったのです。

貴樹は明里のことを守れる力が欲しい、と願っていました。

ついに告白

星の見える丘のすぐ上にいる、貴樹と明里を思わせるような少年と少女でした。

種子島の高校に通う花苗は、弓道部の遠野貴樹に恋をしていました。

彼女は高校の進路にも悩み、趣味のサーフィンもうまくいきません。

一緒に帰る時、いつも立ち寄るコンビニで貴樹が携帯で打っているメールが自分宛てだったらいいのに、と思っていました。

 

そんな時、花苗は生徒指導室に呼び出されます。

東京の大学を受けると決めている貴樹とは反対に、明日の事も全くわからなかったのです。

そんな彼女は、丘でケータイメールを打っている貴樹の横で、進路希望調査の紙を飛行機にして飛ばします。

帰り道に、二人の前をNASDAのロケットを載せた荷台が通り過ぎました。

その時速は五キロでした。

 

貴樹は、出す宛てのないメールを打っては何度も消していました。

空を見上げる花苗は、ひとつずつ出来る事からやる事に決めて、波にうまく乗り始めると半年ぶりに波に乗ることができたのです。

この波に乗れた今日こそ、貴樹に必ず告白すると花苗は心に決めていました。

いつも通りコンビニで寄り道をしていると、通学に使っている花苗のバイクの調子が悪くなってしまい、二人で歩いて帰ることになりました。

 

告白をしようと決めていた彼女は、優しく接する貴樹に「お願いだから優しくしないで」と、歩きながら泣き出してしまいます。

その二人の後ろを、ロケットが飛んでいきました。

花苗は貴樹が、ぜんぜん自分のことを見ていないことに気がつき、何も言えなくなってしまいました。

彼はすごく優しいけれど、ずっと遠くの何かを見ていたのです。

その夜、花苗は泣きながら眠ってしまいました。

それぞれの現在と過去

春の東京は、とてもポカポカしていました。

貴樹は踏み切りで明里に似た女性とすれ違い、振り返ると電車が通り過ぎていきました。

その頃、明里はもうすぐ結婚することになっていました。

 

夕べに中学の頃の夢を見たのは、昨日貴樹へ書いて渡せなかった手紙を見つけたせいだ、と納得していました。

貴樹は東京に来てから三年付き合った女性に、心はほんのわずかしか近づかなかった、と別れを告げられます。

東京に進学した貴樹は、無我夢中で働いた後に限界になり、会社を辞めて今では自宅で仕事をしていました。

そんな彼も、また13歳だった頃の夢を見ていました。

 

貴樹や別の男性と結婚生活をおくる明里、そして彼らを巡る人々の日々がバラバラに映しだされていました。

踏み切りですれ違った明里に似た女性、通り過ぎた電車の踏み切りの向こう側で、彼女かどうか確かめることは出来なかったのです。

貴樹はそれを見て、とても柔らかな表情を浮かべていました。

映画ライターりょうの一言

大人になった貴樹にとって、明里との思い出は決して過去のものにはならなかったのでしょう。

彼の中では、今でも昔の彼女が生き続けているのです。

一方で明里の方は、貴樹の事を忘れるわけではないのですが、貴樹の事は過去の素敵な思い出として受け止めている様子でした。

貴樹が過去の事を引きずっているわけでもなく、明里がすごく薄情なわけでもないし、二人の生きかたが正反対というわけでもありません。

それぞれに離れた場所で、自分達の日常を生きてきた結果論だと思います。

でもキスシーンはとても最高でした。

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