「ライフ・イズ・ビューティフル」のあらすじ
1998年制作のイタリア映画です。
時は1937年、ユダヤ系イタリア人のグイド・オレフィチェは、小学校の教師をしているドーラに一目惚れして、息子のジョズエをもうけます。
しかし、幸せな家族にもナチス・ドイツのホロコーストが迫ってきました。
やがて一家は強制収容所送りになり、ジョズエは母と引き離され、不安な日々を送ります。
それでも陽気さを忘れないグイドは最後の嘘をつき、父親として愛する息子に人生にとって大切なことを伝えるのでした。
主な出演者
監督:ロベルト・ベニーニ 出演:グイド・オレフィチェ(ロベルト・ベニーニ)、ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)、ジョズエ・オレフィチェ(ジョルジョ・カンタリーニ)、エリゼオ・オレフィチェ(ジュスティーノ・ドゥラーノ)、レッシング医師(ホルスト・ブッフホルツ)ほか
グイドがドーラと結婚しジョズエが生まれる
時は1937年、ブレーキの壊れた車が道を走っていきます。
ユダヤ系イタリア人のグイド・オレフィチェは、叔父を頼って友人と一緒にイタリア・トスカーナ地方の田舎町に訪れました。
陽気で遊び心に溢れたグイドは、叔父エリゼオ・オレフィチェに紹介された給仕の仕事に就き、本屋を開くために奔走するなど毎日楽しく暮らしていました。
明るく機転も利く彼は、筋金入りのクイズ好き医師のレッシングをはじめとした店の客に、とても人気がありました。
そんなある日、彼は美しい小学校教師のドーラに一目惚れしてしまいます。
ドーラは既に婚約者がいましたが、何とかして口説き落としたいグイドは、彼女にユニークなアプローチを仕掛け、彼女の方も次第に彼の陽気さに魅了されていきました。
そしてついにグイドとドーラは半ば駆落ちのように結婚し、愛の結晶である息子のジョズエをもうけました。
ジョズエは、戦車の玩具で遊ぶのが好きでした。
グイド一家が強制収容所へ送られる
ドーラと結婚してから数年後、グイドは夢だった書店を開業して妻と息子ジョズエとの3人で幸せに楽しい日々を送っていました。
しかしムッソリーニのファシズム政権が布かれていたイタリアでも、ユダヤ人への迫害が行われつつありました。
ナチス・ドイツがグイドたち一家の住む北イタリアにも駐留するようになり、やがてグイド一家も強制収容所へ送られてしまいます。
息子のジョズエは母親と引き離されたことで不安を感じ、家に帰りたがりました。
グイドは、ジョズエが怖い思いをしないように、ある嘘をつきます。
これはゲームで泣いたりすると減点され、いい子にしていると加点、「1000点貯まると本物の戦車に乗って家へ帰れる」というルールだと話します。
収容所の生活は異様で過酷そのものでしたが、戦車の玩具が好きだったジョズエは、ご褒美を信じて毎日を生きました。
時には、子どもと離れ離れにされた他の父親たちに助けられることもありました。
グイドは命を懸けゲームを信じ込ませる
さらに、信じられないような奇跡も起きます。
収容所では毒ガスを使って被収容者を殺害する、通称「シャワーの日」と呼ばれる恐ろしい時間がありました。
ジョズエもガス室へ送られそうになりますが、ジョズエはシャワーを嫌がり、父グイドの言いつけを聞かずベッドの下に隠れていたのです。
それが功を奏し、運良くジョズエは命の危険から逃れることができました。
恐ろしい出来事が支配する中でも、ゲームであることを信じきったジョズエは、希望を持ちながら生き延びることに成功したのでした。
そしてついに戦争は終わり、ナチスがイタリアから引き揚げていきます。
グイドとジョズエは、それに乗じてドーラを探しながら逃げようとしましたが、グイドがナチス兵に見つかってしまいます。
ジョズエはゴミ箱の中に隠れていたのでまだ見つかっていませんでしたが、ここで騒いだら彼も発見されてしまいます。
グイドは背中に銃を突きつけられながらも、ジョズエにゲームの続きであることを知らせるようにウインクし、おどけた様子で連れて行かれました。
父がくれた贈り物
結局グイドは、ジョズエが隠れている場所から離れたところまで連れて行かれると、敗戦したナチス兵の憂さ晴らしのため、銃で殺害されてしまいました。
そのままいい子にして朝まで隠れていたジョズエは、兵士が引き揚げた後を見計らって、ゴミ箱の中から出てきます。
そこに父はいませんでしたが、代わりに砂埃を上げながら連合軍の戦車が現われました。
連合軍の若い兵士はジョズエを戦車に乗せ、自分のヘルメットをかぶせてお菓子をくれました。
父が言っていたように、ゲームのご褒美である本物の戦車に乗ることができたのです。
戦車から外を見ていると母ドーラを発見し、再会できました。
ゲームのことなどを知らないドーラに、ジョズエは「ゲームに勝ったよ」と叫び、彼女は「そうよ本当に勝ったのよ」とジョズエにキスしました。
ジョズエはグイドのゲームのご褒美の通りに、戦車に乗って家に帰ることができたのですが、ついに父は戻りませんでした。
こうして成長したジョズエは、父が命懸けで贈り物をしてくれたのだと、昔を振り返りました。
映画ライターもじゃの一言
戦争や迫害という極限状態であっても、これだけ明るく生きることができるのは凄いことです。
「ライフ・イズ・ビューティフル」のタイトルにふさわしい父・グイドの生き様は、時を経て確かに愛息子のジョズエに受け継がれているんですね。
この映画を観ると、そうした人間の強さと愛に強い感動を覚えること必至です。
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