「八日目の蝉」のあらすじ・ネタバレ・ラスト

ヒューマンドラマ

「八日目の蝉」のあらすじ

角田光代の同名原作小説を、井上真央と永作博美の主演で映画化した作品です。

不倫相手との子どもを中絶して以来、子どもの産めない体になってしまった野々宮希和子は、不倫相手である秋山夫妻の娘を誘拐してしまいます。

希和子は誘拐した子どもに「薫」という名前を付け、逃亡しながら自分の娘のように愛情を込めて育てます。

薫も希和子を実の母と信じて育ちますが、ある時警察が来て、二人は引き裂かれてしまいます。

「母性」をテーマにしたヒューマンドラマです。

主な出演者

監督:成島出 出演:井上真央(秋山恵理菜=薫)、永作博美(野々宮希和子)、小池栄子(安藤千草)、森口瑤子(秋山恵津子)、田中哲司(秋山丈博)、渡邉このみ(秋山恵理菜=薫(少女時代))、市川実和子(沢田久美(エステル))ほか

希和子が恵理菜を誘拐する

1995年10月のある日、東京地裁では野々宮希和子が赤ん坊を誘拐した罪で裁判にかけられていました。

被告は「誘拐した娘と1日でも長く生きられるように、祈りながら毎日暮らしていた」と語ります。

そして場面は当時のシーンを映します。

 

1985年に野々宮希和子は大手の下着メーカーKに就職して働きますが、同僚である秋山丈博と不倫関係にありました。

丈博は希和子に妻と離婚したいと話すようになり、希和子は子どもを身籠りますが、丈博に妊娠したことを告げると中絶するように説得されます。

希和子は子どもを下ろしましたが、その後子どもが産めない体になってしまいます。

一方で丈博の妻・恵津子も妊娠しており、希和子に中絶したことをなじります。

その後、恵津子は女の子を生み「恵理菜」と名付けました。

 

希和子は秋山宅に侵入し、生まれたばかりの恵理菜を殺そうとしますが、赤ちゃんが笑ったのを見て衝動的に誘拐してしまいます。

希和子は赤ちゃんに「薫」という名前を付け、誘拐犯として逃亡する日々を過ごします。

希和子・薫親子の逃亡生活

その後、希和子と薫は居場所を転々とし、偶然見つけたエンジェルホームという自称ボランティア団体の施設に入ります。

エンジェルホームは駆け込み寺のような場所で、問題を抱えた女性たちだけで共同生活を送る場でした。

しかし、入居者の女性を連れ戻そうとする家族たちがエンジェルホームに抗議し、注目を浴びてしまうことを心配した希和子は出ていくことにします。

 

希和子は、ホームで知り合った久美の母・昌江の家のある小豆島へ逃げた後、宮田京子という偽名でそうめん工場に勤務しながら薫を育てました。

仮初めながら、希和子と薫は実の親子のように過ごしました。

しかし、希和子と薫の姿が映った写真が全国紙に載ってしまったため、希和子は覚悟を決めました。

思い出作りのために2人の写真を撮り、学校や海へ出かけ、最後にお寺へ行きます。

薫が蝉の抜け殻を拾い、希和子は「蝉は7日しか生きられないけど8日目も生きるかもしれない」と話し、薫は「1人で8日生きるのは嫌だ」と言います。

そしてついに希和子が警察に連れていかれました。

恵理菜も希和子と同じ道を歩む

2005年、秋山恵理菜に戻った薫は大学生になりましたが、実の両親と折り合いが悪く、アパートで1人生活していました。

ある日恵理菜は、自称フリーライターの安藤千草から過去の誘拐事件の取材を申し込まれますが、断りました。

 

恵理菜はバイト先の塾講師の岸田と不倫をしており、子どもを妊娠したのではないかと考えます。

相談できる人が誰もおらず、恵理菜は千草に妊娠の可能性を打ち明けます。

検査薬で妊娠したことがはっきりしましたが、岸田は妻と別れるそぶりがなかったため、恵理菜は岸田と別れて1人で子どもを産み育てることに決めます。

 

恵理菜は千草に子どもを産むことを話し、自分の家族が崩壊したのは野々宮希和子のせいだと言いました。

千草は、自分が昔エンジェルホームで恵理菜と一緒に育った「マロン」だと告白します。

実母の恵津子に、妊娠したので大学を辞めて子どもを産み育てたい、そのためにお金を貸してほしいと恵理菜は話します。

恵津子は、娘が希和子と同じ道を歩んでいることに取り乱し、中絶するように詰め寄ります。

愛されていたことを思い出す

恵理菜は千草と共に、希和子に誘拐されていた当時の場所へ行きました。

エンジェルホームは既に廃墟となっており、千草から当時の話を聞かされても、恵理菜は思い出せませんでした。

ホテルに戻った後、恵理菜は母親になれないという不安を吐露しますが、千草はエンジェルホームで育った自分は男性恐怖症だと打ち明けます。

 

そして千草は、2人でなら母親になれると恵理菜を勇気づけるのでした。

恵理菜は岡山の小豆島で海やお寺などを巡るうちに、過去の記憶を徐々に思い出していきました。

写真館の前で希和子と恵理菜が映った写真を見つけ、地元の漁師に希和子について問いかけます。

猟師は、当時のことを教えてくれました。

 

フェリー乗り場まで来ると、恵理菜は希和子が警察に連れていかれた時のことを思い出しました。

フェリー乗り場の売店で食事を買ってから出ると警察が待ち構えており、希和子は捕まりながらも「その子はまだご飯を食べていない」と叫ぶのでした。

 

恵理菜は再び写真館の前へ行き、2人の写真を撮った時に希和子が自分に大好きと言ったことも全て思い出します。

そして恵理菜は、前向きに子どもを育てようと決めたのでした。

映画ライターもじゃの一言

この映画は、確実に観た人の心を抉るでしょう。

不倫や誘拐などの希和子の行為はもちろん褒められたことではないですが、善悪の線引きでは割り切れない人間の愛情を感じました。

逃亡生活の間、希和子と薫は間違いなく「親子」だったのだと思います。

2人が引き裂かれるシーンには、胸が詰まります。

コメント