「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」のあらすじ
「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は2019年公開の日本映画になり、累計で1000万アクセス超えの快挙を果たした人気ブログが基になった実話を映画化したものです。
オンラインゲームを通じて、息子が父親の気持ちを知るというストーリーです。
ある日、仕事人間だった父親が突然会社を辞めたところから始まります。
1日中家でテレビを見て過ごすようになった父を、家族たちは不思議に思いながらも見ているだけでしたが、息子のキオは父の思いを知りたいと考えるようになりました。
そしてアキオは、オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』の世界でなら、父も本音を語ってくれるのではないかと閃きました。
主な出演者
監督:野口照夫、山本清史 出演:坂口健太郎(岩本アキオ)、吉田鋼太郎(岩本暁)、佐久間由衣(井出里美)、山本舞香(岩本美樹)、佐藤隆太(吉井晋太郎)、財前直見(岩本由紀子)、南條愛乃(マイディー)、寿美菜子(あるちゃん)、悠木碧(きりんちゃん)ほか
息子は寡黙な父とゲームで交流を図る
岩本アキオの父・暁は、昔から典型的な仕事人間でした。
口数が少なく家族にも自分の気持ちを話す人ではないので、息子であるアキオも父が何を考えているのか、まったく知りませんでした。
しかし、単身赴任に出ているはずの暁が、突然何を思ったのか勤めている会社を辞めて自宅に帰ってきました。
家族にも退職した理由を言わず、日がな一日家でテレビを見ている日々を過ごす暁に対し、母や妹も遠巻きに眺めているだけでした。
アキオは、ふとそんな父のことを理解したいと思うようになります。
彼はオンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』の世界にいる仲間に相談し、暁にゲームを勧めて他人として触れ合う「光のお父さん計画」を実行に移すことにしました。
退職祝いの名目で、暁にプレイステーション4とゲームソフトを贈ったアキオは「マイディー」というプレイヤーの他人を装い、オンラインゲームに不慣れな暁を導きます。
「インディ・ジョーンズ」というプレイヤー名の暁は思いの外に楽しく遊んでおり、アキオと暁はゲームの仲間としてコミュニケーションを図りました。
結婚に反対したことで娘が家出する
アキオと暁は、ゲームの世界では距離を縮めつつありました。
そんなアキオには、近頃仕事上の悩みがありました。
あるコンペのチームメンバーの一人に選ばれていたのですが、先方から厳しいと言われていたのです。
ゲーム中に彼は、インディこと暁に仕事の悩みを打ち明けます。
暁は先方へ熱心に思いを伝えるようにアドバイスし、やる気を起こしたアキオのプレゼンは上手くいきました。
コンペで選ばれたアキオは社内で評価され、シンガポールの新支店行きが決まりそうになります。
一方で妹の美樹は、彼氏である売れないお笑い芸人の賢介を家に連れてきました。
彼は暁に、美樹との結婚を考えていると言います。
暁が怒り「家族を持つということを真剣に考えているのか」と結婚を反対したので、美樹は家を出て行ってしまいました。
美樹がいなくなって落胆した暁はゲームの世界へ逃げようとして、怒った母から「ゲームは1日1時間まで」と制限されてしまいます。
暁は制限時間の1時間で、美樹の彼氏に顔が似ているタイタンをアキオたちと共に退治しに行きますが、中々倒せず時間が過ぎ、母からコントローラーを取り上げられてしまいました。
ツインタニア戦前に父が倒れる
リベンジに燃える暁でしたが、既に一緒に行動する仲間はゲームの世界からログアウトしていました。
暁と2人きりになったアキオはゲーム中で話をして、アキオは「娘さんの彼氏のことをもっと知ってから反対するのでも遅くないのでは」と、アドバイスをしました。
後日、暁は美樹の彼氏である賢介を知るため、彼の出演するお笑いライブを見に行きます。
そこで彼の真面目な姿を見て、美樹と仲直りすることができました。
美樹が帰ってきたことで母の機嫌も直り、暁はコントローラーを返してもらえました。
暁はストーリーのボスを倒すことができ、感動していました。
いつしかアキオは、もし最強の敵であるツインタニアを倒せたら、その時に自分の正体を話そうと決めます。
最強の敵を倒すために、アキオと仲間たちは特訓に励みました。
そしていよいよ敵を倒しに行く日、仕事から帰宅したアキオは暁が病院に運ばれて緊急手術が必要な状態だと聞かされます。
しかし、手術が必要なのに、暁はどこかへ行ってしまい行方が分かりません。
ゲームを通して理解し合う父と息子
父を探していると、ゲーム仲間からインディが待っていると連絡が来ます。
何と暁は病院を抜け出し、ネットカフェで敵を倒そうとしていたのでした。
父の思いを知ったアキオは急いで家に戻り、仲間たちと一緒にツインタニアを倒します。
最強の敵を倒した後、暁は仲間たちに思いを語りました。
実は手術が必要な病気を患ってしまったこと、家族のために仕事に明け暮れていたが、その仕事を辞めざるを得なかったことを告白します。
「自分がもう働けない必要のない人間になったと思っていたけれど、ゲームを通して皆と出会え、新しい経験や感動を知ることができた」と話し、病気に打ち勝って戻ってくると宣言します。
アキオが「家族で待っている」と返事をしたので、暁は初めて仲間のマイディーがアキオだと気付きました。
暁は手術を受け、一年の時が過ぎました。
アキオはシンガポールへ転勤した後もゲームを続け、手術を受けて回復した暁ともゲームの世界で会っているのでした。
映画ライターもじゃの一言
オンラインゲームという、普段ゲームをしない人にとっては特殊な場所ですが、ある意味では現代家族のコミュニケーション方法の一つなのかもしれません。
現実世界では無口で頑固っぽいお父さんが、ゲームになると途端に喋るようになったり、慣れないながらも悪戦苦闘する姿はちょっと可愛いです。
最後はほっこりする、いい話ですね。
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